怪しい「隠蔽」と脅迫の話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 16:35 UTC 版)
「ロズウェル事件」の記事における「怪しい「隠蔽」と脅迫の話」の解説
ギルデンバーグのような懐疑論者にとって、隠蔽と目撃者の脅迫の話は迷惑な証言、特にマック・ブレイゼルの証言を言い逃れる試みでたくらまれた。彼の1947年からの話は、額面通りに受け取れば、誤認定された気球の残骸を示す、と彼らは言う。 UFO研究家は、残骸が単なる「気象観測用気球」だったとする報告に信用を与えるために、ブレイゼルが回収した残骸についての叙述を変えるように彼が脅迫された、と主張する。多数の目撃者の陳述は軍に拘置されたブレイゼルを叙述する。しかし、何十年も後からの目撃者の報告とは対照的に、懐疑論者たちは次のように主張する。当時の話によると、マック・ブレイゼルが記者会見に到着したとき、軍の護衛者と一緒ではなく、リポーターW・E・ホィットモアW. E. Whitmoreと一緒だった。ブレイゼルと一緒にいるホィットモアの存在は多くの他の目撃者たちによって確認されている。目撃者の中には、ブレイゼルが彼の父の家で一晩泊まっていたのを見たと思い出しているホィットモアの息子(p.154)と、ホィットモアは記者会見に出席し、そこで彼は「ほかの報道関係者からブレイゼルを遠ざけるのに彼のベストを尽くし」、そのため彼のインタビューが「スクープ」のままであったのだろう(p.170)、と言う記者ジェイソン・ケラヒンJason Kellahinも含まれる。ブレイゼルが脅迫されていたことを示すのに使われる一つの目撃談は、ロズウェル・デイリー・リコード紙の編集者ポール・マケヴォイPaul McEvoyがもたらしたものである。彼はブレイゼルが軍の護衛者と一緒に到着したと言っている。しかし彼の自身の新聞がブレイゼルはホィットモアを伴って到着したと言っていることから、マケヴォイは隠蔽の一部を担っていたことにならなくてはいけないと思われる、とプリンティは指摘する。 威嚇と脅迫があったとする他の主張については、フロックによると「五つの話がある、五人―そういった断言をする人たち」(p.171)。フロックによると、これらの話はどれも「単純に信頼できない」ものであり、特にウィルコックス保安官とその妻イネスInezの孫、バーバラ・ダガーBarbara Duggerからの話は信頼性に欠ける。バーバラは問題の出来事の数十年後に彼女の祖母が、事件について誰かに話したら死があると軍によって夫妻が脅された、と彼女に話したと主張した。しかしダガーの母、父、おばは、三人とも軍が彼女の祖父母を訪れた時にそこにいたのに、誰も死の脅迫について何も言っていない。 軍はメディアの販売店の捜索をし「それの出来事に関するあらゆることについて書かれた新聞の全てのスクラップ」を除去したということが主張されている。しかしフロックによると、その主張は一つの情報源―リポーターフランク・ジョイスFrank Joyce―からのものであり、他のメディア職員―この話を報じたKSWSラジオの局長、ジョージ・ウォルシュGeorge Walshを含む―は誰もいかなるそういった捜索についても思い出していない(p.173)。 トマス・デュボーズ大佐がUFOの残骸が気象観測用気球の物体にすり替えられたことを認めていると思われるもう一つの「隠蔽」の主張についても、コーフのような懐疑論者たちは疑わしいところを見つけている。 デュボーズは1947年にフォートワースで残骸とともにポーズを取っていた人の一人である。プリンティによると、彼が署名した陳述は「隠蔽」を認めるけれども、この陳述は物体がすり替えられたことは示さない。デュボーズにとっては、隠す話があったことは自明であると思われた―しかし何か別の秘密の軍の計画(たとえばモーグル計画)を保護するよう意図されたのであって、異星人の乗り物を回収したことの証拠を隠すためではなかった。プリンティは、研究家たちが正確には何が「隠蔽」されていたのかを彼に直接訊ねないことによって、異星人の物体と残骸がすり替えられたことの隠蔽があったことをデュボーズが確認したと信じるように読者を誤った方向に導いたとして非難する。後にデュボーズは、UFO研究家ジェミー・シャンデラJamie Shanderaに残骸がすり替えられたのかを直接問いただされ、彼はすり替えが行われたことを強く否定した。 シャンデラ: 「二人の研究家"ケヴィン・ランドルとドナルド・シュミット"がいて、彼らはレイミー准将のオフィスにあった残骸はすり替えられて、あなたたちは気象観測用気球を持っていたと言っていますが」 デュボーズ: 「でたらめだ!あの物体はすり替えられてなんていない!」 シャンデラ: 「すると、あなたが言っているのは、レイミー准将のオフィスにあった物体はロズウェルから提出された本物の残骸だった、ということですね?」 デュボーズ: 「まさしくその通りだ」 シャンデラ: 「レイミー准将か他の誰かか、あなたに知られることなくすり替えを命令できた人はいますか?」 デュボーズ: 「…私はそこにいたし、私にはあの物体についての責任があったし、それは決してすり替えなんてされていなかった」 ギルデンバーグ、プリンティおよび多くの他の懐疑論者たちによってなされた隠蔽に反対するもう一つの主張は、まさに軍が隠蔽しようと試みたと推測される「空飛ぶ円盤」そのものを公表するプレスリリースを軍が発表したという事実である。
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