急激な拡大路線による経営悪化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 01:02 UTC 版)
「コンパイル (企業)」の記事における「急激な拡大路線による経営悪化」の解説
コンパイルはぷよぷよシリーズで得た収益を原資に事業規模を拡大させていった。 関連商品としては、ぷよぷよブームに乗じて、カーバンクルなどゲームに関連したキャラクターグッズや、広島名物のもみじ饅頭を基に作った「ぷよまん」などの販売を「元祖ぷよまん本舗」という店で行っていた。また、ももも通販という通信販売も展開していた。 1995年にはオートバイチーム「コンパイルレーシングYAMAHA」を結成し、全日本ロードレース選手権にプライベーターとして参入(1998年和議申請の際に解散)。レースクイーンのコスチュームが同社のキャラクターである「カーバンクル」を模した、黄色を主体とした派手なものだった。 1996年に行った自社の全日本ぷよ協会主催のイベント「全日本ぷよマスターズ」では幕張メッセに18,000人を集めるなど、ユーザーとの親和を図るイベントも積極的に展開し、1997年3月期には売上高約69億円を計上した。イベントではコンパイルサポートアソシエーションがユーザーをサポーターとして活用していた。このほかにも、全国24ヵ所をめぐるツアー形式の『ぷよぷよ』対戦イベント「ばよえ~んツアー」も行われていた。 1997年ごろ、仁井谷は「これからはディスクの時代だ」と発言している[要出典]。その真意は不明だが、この時期、任天堂系ゲーム機向けのぷよぷよシリーズを一部外注に委ねるなどしている。 1998年にはビジネスソフト分野への進出も目論んで、グループウェア『パワーアクティ』を開発した。 さらに、仁井谷自身も幕張メッセ付近にテーマパーク「ぷよぷよランド」を建設する計画を進めており、その一環として大量の新入社員を採用した。新社屋に移転して本社を拡大したほか、韓国にも関連企業コンパイルコリアを設立するなど、会社規模を急激に拡大していった。コンピュータソフト関連のメーカーということもあり、地元である広島県では「注目のITベンチャー企業」として頻繁に報道された。 その一方で、この時点のコンパイルは本業のコンピュータゲーム制作では『ぷよぷよ』シリーズ以外に目立った看板商品が無く、その『ぷよぷよ』も仁井谷が思い描いた会社の急激な規模拡大を支えきれるほどのものではなかった。特に大ヒットとなった『ぷよぷよ通』の続編としてリリースした『ぷよぷよSUN』が想定に反してユーザーの支持を得られなかったことや巨額の開発費用を投入した『パワーアクティ』の販売不振、企業規模にそぐわない人材の大量採用、それに伴い行われた広島市中心部での数度にわたる本社移転、過剰な宣伝広告費などの事業拡大路線の反動により、1997年度下半期から急激に資金面で経営を圧迫し始めた。そして1997年の年末商戦に投入する大型タイトルとして予定されていたセガサターン向けの『わくわくぷよぷよダンジョン』が開発難航により1998年春期に発売延期したことで資金繰りに行き詰まり始めた。
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