販売不振
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 09:56 UTC 版)
「ロッキード L-1011 トライスター」の記事における「販売不振」の解説
ロッキードが久しぶりに開発した旅客機で、しかも初の大型ジェット旅客機であり、新しい機能が多数盛り込まれて、完成度が高いものであったが、前述のエンジン開発の遅れのため販売開始が遅れたこと、標準型の航続距離の短さ、そしてボーイング社やマクドネル・ダグラス社の販売網に太刀打ちできなかったことから販売は不振に終わった。特に、南半球の航空会社からの新規発注はほとんどなかった。なお、ロッキード社は開発遅延による販売不振を打開しようと賄賂工作で売込みを図った。後述するロッキード事件はその一例である。 マクドネル・ダグラスが先に開発・販売していたDC-10と比較すると、旅客機としての完成度はトライスターの方が高かったと言われているが、トライスターを採用する航空会社は少なかった。また、DC-10はアメリカ空軍から空中給油機KC-10としての受注にも成功し、生産規模の確保に成功した。 トライスターは発展性の乏しさも販売不振の要因である。ライバルのDC-10は将来航続延長型を開発するため最大離陸重量増加を考慮してセンターギアの装備が可能なように計画されていた。そのためDC-10-30、-40といった長距離型の開発が容易に行われ、結局これらの長距離型が販売数の多くを占めている。しかし、トライスターはセンターギアを装備出来ず、後述するように、そのまま最大離陸重量を増加させると空港施設に許容される接地面圧を超えてしまうという問題に直面した。そこで、胴体を短縮することで軽量化を行い航続距離を延長した仕様(-500型)が開発されたが、胴体短縮に伴うペイロードの減少により運航コスト面で不利であった上に、引き渡しが1979年4月になるなど開発、就航のタイミングが遅くなってしまった。 また、その後エアバス社が当初は近距離型が中心であったものの、エンジンが2機のため燃費効率が良く、整備費用も抑えられる A300 型機を開発・販売した。その後もジェットエンジンの性能向上は続き、中距離・中型の旅客機は双発機が主流となり、上記のように航続距離を大幅に伸ばした-500型が投入されたりしたものの、販売は苦戦を続けた。
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