思考エンジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 01:56 UTC 版)
チェスソフトの内、実際に指し手を解析、探索する部分。無償でダウンロードできるエンジンも多数ある。思考エンジンとGUIの通信プロトコルは「WinBoard仕様」と「UCI」が主流だが、メーカーの独自仕様もあり、ソフトによって使えるエンジンが異なる。 思考エンジンは単体でも使えるが、オープニングやエンドゲームの解データベースを利用して、無駄な計算を省略させることが普通である。 強さの調整はイロレーティングの数値で指定することが多い。 Crafty 1986年の大会で優勝した Cray Blitz の開発者Robert Hyattによるエンジン。ソースコードも公開されている。後述の「ICC Dasher」にも採用されている。 GNU Chess GNUプロジェクトのエンジン。Mac OS XのChessにも利用されている。 Junior イスラエルのプログラマー Amir Ban, Shay Bushinskyらによるエンジン。1997年には世界マイクロコンピュータ選手権で優勝。この時は16ビット版 (Ver.4.6) であった。2002年と2004年の世界コンピュータチェス選手権でも優勝し、2005年以降も常に上位にランクインしている。 Rybka 世界コンピュータチェス選手権で連続優勝(2007年から2010年)し、2010年までは最強とされたエンジン。マルチプロセッサ対応版は有料だが、シングルプロセッサ用の評価版はフリーで配布されていた。 2011年に「Fruit」と「Crafty」からソースコードを盗用していることが発覚し(いずれもFLOSSだが、コードの流用そのものではなく、流用したコードをもとにしたRybkaをオリジナルのプログラムとして申告したことが問題となった)、優勝取り消しと選手権からの追放処分となった。 Stockfish 2008年からと歴史は浅いが、ランキングは上位を保っている。また開発チームによりスマートフォン用のチェスアプリも提供されている。 オープンソースであるため、コンピュータ将棋エンジンのベースに利用されることもある(Apery、やねうら王など)。 AlphaZero 将棋、チェス、囲碁の対戦が可能なプログラム。各分野において2017年時点の最強プログラム(チェスではStockfish)を破っている。
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