後代品種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 22:56 UTC 版)
収量の年次変動・自家不和合性・黒星病かいよう病罹病性といった欠点を克服するために、南高梅を育種親にして開発された新品種が複数存在する。 小粒南高(こつぶなんこう) 南高梅の交雑実生と推測されるが、詳しい来歴は不明。複数の系統が存在する。自家不和合性だが豊産性で、果実は20g前後と小さい。南高梅とは別品種だが、慣習的に南高梅として同時出荷することが認められているので、受粉樹として和歌山県では広く混植されている。最近は、開花時期のズレが一部地域で問題となっている。 NK14(えぬけーじゅうよん) 和歌山県うめ研究所が2009年に品種登録。南高梅と剣先梅の交雑種。自家結実性で収量が安定している。南高梅が結実不良となりやすい北向き園等の不良園地向けに開発された。小粒南高の代わりに受粉樹として植えられることも多い。果実は南高梅より少し小さいが、梅干しとしての品質は同等かそれ以上に優れている。 橙高(とうこう) 和歌山県うめ研究所が2009年に品種登録。南高梅と地蔵梅の交雑種。自家結実性で収量が安定している。果実にβカロテンを多く含み、熟すと橙色になる。加工方法等を模索中の段階であり、あまり普及していない。 星高(せいこう) 和歌山県うめ研究所が2019年に品種登録。南高梅と地蔵梅の交雑種。自家結実性で収量が安定している。黒星病に耐病性を有し、減農薬栽培や有機栽培での利用が模索されている。 星秀(せいしゅう) 和歌山県うめ研究所が2019年に品種登録出願。南高梅と剣先梅の交雑種。自家結実性で収量が安定している。黒星病に耐病性を有し、梅干しの品質も優れている上、南高梅と開花時期が同じなので受粉樹としての普及が期待されている。果実の大きさは南高梅とNK14の中間。 熊野仁(くまのじん) 2014年に品種登録。南高梅の自然交雑実生。自家結実性で収量が安定している。有機栽培園地で選抜され、黒星病・かいよう病・すす斑病等に耐病性を有する。果実は南高梅と同程度の大きさで、収穫が7日~10日程度早い。 薫南高 (かおりなんこう) 南高梅を種子親とする新品種。自家結実性で収量が安定している。黒星病に耐病性を有し、豊産性である。果実は南高梅よりやや小さい。 パープル南高(ぱーぷるなんこう) 2012年に品種登録。南高梅の枝変わり。木の性質は南高梅と同じだが、果実のアントシアニンによる着色が著しく、果実全面が紫色になる。 ミスなでしこ(みすなでしこ) 南高梅とパープルクィーンの交雑種。和歌山県の三栖地区で開発された。果実のアントシアニンによる着色が著しく、果実全面が紫色になる。自家結実性で収量が安定している。果実は南高梅よりやや小さい。
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