弾丸重量・銃身長による分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 02:02 UTC 版)
「火縄銃」の記事における「弾丸重量・銃身長による分類」の解説
重量口径(mm)2匁半 11.79 6匁 15.79 13匁 20.48 20匁 23.58 30匁 26.99 50匁 33.04 小筒 弾丸重量が二匁半程度のものを指す。威力は低いが安価で反動が少ない為、猟銃や動員兵への支給銃として用いられた。また、鉄砲による戦闘に不慣れな明・朝鮮の兵の防具は、鉄砲に対する防御力が弱く、小筒でも十分な威力を持っていた為、朝鮮の役では大量に用いられた(『図説・日本武器集成』『鉄炮伝来』)。 中筒 弾丸重量が六匁程度のものを指す。小筒に比べて威力が増大するが、扱いが難しい上に高価なので、臨時雇いでなく継続して主人に仕える足軽が用いる銃とされた。当世具足や竹束などの火縄銃に対応した防御装備が広まった結果、小筒に替わり主に用いられる様になった(『図説・日本武器集成』)。 士筒(さむらいづつ) 弾丸重量が十匁程度のものを指す。威力は絶大だが非常に高価で、さらに銃身が長く重量も重く、発射時は大きな反動があるなど扱いが難しい為、十分な鍛錬と財力を持つ侍のみが用いることができた。彼らはこの侍筒を武家奉公人に持たせ、必要に応じて用いた(『図説・日本武器集成』『雑兵物語』)。 馬上筒 騎兵銃として用いられた。後世の騎兵銃と比べ銃身がより短く、拳銃に近い(実際、ヨーロッパの胸甲騎兵が用いた拳銃と、同程度のサイズである)。火縄銃は後世の銃よりも重量があったため、馬上で用いるには著しく小型化する必要があった。また、ライフリングが施されていない火縄銃は元より命中率が高くないため、ここまで短くしても命中率への影響は大きく無かったからである。両手で扱う。 短筒 火縄銃版の拳銃。片手で扱うために馬上筒よりもさらに銃身を短くしている。馬上筒と同じく、騎兵銃として用いられた。火縄に常に火を点す必要上、懐に隠すのは困難であり、後世の拳銃のような護身用、携帯用としての使用は困難であったと考えられる。 大鉄砲 二十匁以上の弾丸重量を有するものでは、百匁クラスのものも存在する。こうした火器は、通常の弾丸の他に棒火矢(ロケット弾)などを射出し、攻城戦・海戦で構造物を破壊・炎上する為に用いられた。大鉄砲は大筒や石火矢との定義が明確に区別されていないため、しばしば三者が用語上混用される。傾向としては抱え大筒とも言われ、銃床とカラクリを用いた火縄銃の体裁を持つものを指すことが多い。射撃する場合、差火点火式・地上設置型である通常の大筒と異なり、反動は強烈であり、射手は射撃時に自ら転がることで反動を吸収する程であった。そのため命中の確実を期す場合は、地面に据えて擲弾筒のように撃ったり、射台に据えて用いた。 狭間筒 通常の筒に比べ、弾丸重量のわりに銃身が長いものを指す。城や船舶の鉄砲狭間(銃眼)に依託して射撃する用途の筒。有効射程は2-300mに及ぶとされる。 侍筒(十匁筒) 馬上筒 短筒 大鉄炮(五十匁筒) 狭間筒(一番下)
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