建設工兵の任務
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/09 20:17 UTC 版)
橋や道路の建設 平時に橋や道路を整備しておく一方、戦場では架橋戦車で臨時に橋を作ったり、敵が退却時に爆破した橋の修理なども行う。不整地では、爆薬で道を開くこともある。 鉄道の建設 戦地における鉄道の建設・修理・運転や敵の鉄道の破壊に従事する。 渡河作戦 敵兵が対岸にいる場合、(水陸両用戦車で簡単に制圧した例もあるが、通常は)砲兵や爆撃機の支援の下、煙幕を張り、渡河用ボートを膨らませて歩兵を対岸に送り込み、橋頭堡を確保。架橋戦車では渡れない川幅の場合、ボートや橋脚舟(ポンツーン)に橋げたを設け、上流から流し込み固定して繋げていき橋を作る(ポンツーン橋、浮橋)。 測量や地図作成 平時の工兵の重要任務。自国だけでなく、航空観測などで他国の測量も事前に行っておく。専門の部隊を置き、気象観測も行うことがある。 一般的な道路・橋・ダムなどインフラストラクチャー、宇宙基地、王宮といった特殊な施設の建設・維持 アメリカ(陸軍工兵)では平時における工兵の主要な任務となっている。また、ゼネコン等が存在しない発展途上国では、公共施設や道路の建設に工兵が使用される事がある。また機密保持、国家意識の涵養などの必要性が強く認められる場合そういった対象となる特殊な施設の建設・維持に工兵が同様に充てられる事がある。自衛隊でも、草創初期には部隊訓練の一環として「土木工事等の受託」として頻繁に行われていた。 坑道戦 敵の要塞や陣地の真下まで坑道を掘り地中に大量の爆薬を仕掛けて、要塞や陣地ごと吹き飛ばす。 日露戦争では旅順要塞の攻略に大きな役割を果たし、第一次世界大戦でも実施された。 近年では要塞そのものの衰退に伴いあまり行われなくなっている。 トーチカや塹壕建設 戦闘工兵の任務と多少重複するが、こちらは最前線より後方がいずれ戦場になるであろうと思われるときに最前線よりも強固な陣地を建設する。余裕を持って工事を行うことができ、敵に妨害される心配も少ない。旧ソビエト軍では塹壕掘削用の工兵車BTM-3が開発されている。 さらには、インフラとして建設した橋や道などの場所にも強固な特火点を建設することも後方における任務である。 しかし、恒久的な陣地の不利性から近年はあまり行われない。 補給物資集積場等建設 兵站管理の一環として、すばやく物資の分配管理防衛等を行うために集積場建設をする。
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