帆船時代の東西交易とマラッカ海峡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 22:40 UTC 版)
「マラッカ海峡」の記事における「帆船時代の東西交易とマラッカ海峡」の解説
帆船の時代にあっては、古代エジプト、古代ローマ、アラビア、アフリカ、トルコ、ペルシャ、インドなど、海峡西方の諸国からの物資を運んできた貿易船は、現在のマレーシア西海岸のクダの港やムラカ(マラッカ)を利用した。古代にあっては、夏季(6月-11月)に吹くモンスーン(貿易風)に乗って西からの貿易船がクダなどに着き、冬季(12月-3月)に反対方向の風を用いて帰航するというケースが一般的であった。 6世紀ごろ著名な港湾として繁栄していたクダには、はしけ、人足、ゾウ、税関などが整備されており、ここに着いた荷物は一旦陸揚げされて、マレー半島東海岸のクランタン州周辺まで陸上輸送され、中国などの東方へ輸出する場合はさらにクランタンなどの港から荷物を積み出していた。 取引される各地の特産物としては、 インド…穀物(米など)、象牙、各種の綿織物、染料 アラビア半島・西アジア…乳香、没薬、馬、陶器、ガラス、絨毯 東南アジア…香料、香辛料、木材、染料 中国…陶磁器、絹織物、銅銭 などがあり、マラッカ海峡は、中国を起源として南シナ海や東シナ海で用いられたジャンク船とインド洋一帯で広く用いられた1本マストのダウ船とがともに行き交う海域であった。 12世紀から13世紀にかけて、東南アジアでは中国とインド・西アジア間の中継貿易のための港市が発達する。これは、モンスーン(季節風)の関係で、インド洋海域と東アジア地域との間を往復するには2年の歳月を必要としたが、東南アジアの港市との間を往復するだけであれば、その半分以下の時間しか掛からなかったからである。
※この「帆船時代の東西交易とマラッカ海峡」の解説は、「マラッカ海峡」の解説の一部です。
「帆船時代の東西交易とマラッカ海峡」を含む「マラッカ海峡」の記事については、「マラッカ海峡」の概要を参照ください。
- 帆船時代の東西交易とマラッカ海峡のページへのリンク