岡田山古墳出土鉄刀とは? わかりやすく解説

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岡田山古墳出土鉄刀(出雲の額田部氏)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 14:12 UTC 版)

額田部氏」の記事における「岡田山古墳出土鉄刀(出雲額田部氏)」の解説

額田部臣」は733年天平5年)に作られ『出雲国風土記』にも大原郡の項目で「少領従八位上」として現れている。また、 新造しんざう)の院(ゐん)一所ひとところ)。屋裏(やうら)の郷(さと)の中(うち)に有り郡家の正北一十一里(さと)百二十歩(あし)。□層(こし)(三層)の塔(たふ)を建立(た)つ。僧(ほふし)一軀(はしら)有り。前(さき)の少領(せいりゃう)、額田部臣押島(ぬかたべ の おみ おししま)の造る所なり。今の少領(せうりゃう)伊去美(いこみ)が從父兄(いとこ)也(なり)。 とあり、大原郡中心である屋裏(やうら)の郷(現在の雲南市)には、前少領である額田部臣(が建立した伝えられる寺院存在していたという。このことから、額田部一族大原郡本拠地としていたことが分かる名代管理者地域豪族であることが多く出雲国場合額田部臣氏だけではなく、「建部たけるべ)臣」、「日置部(へきべ)臣」、「勝部(すぐりべ)臣」、「倭文部(しどりべ)臣」など、臣の姓を持つものが多いが、これは出雲臣の同族が、それぞれの地域部民管理者となり、臣姓を名乗ったからである。 以下の考古学上の発見も、氏族制部民制起源や、出雲大和の関係を考え上でより重要である。 1983年昭和58年1月8日元興寺文化財研究所預けられてあった、松江市(旧意宇郡大草町にある岡田山一号墳から出土した遺物保存修理中、X線撮影によって鉄刀銀装円頭大刀)の刀身部に12文字分の象嵌銘文があることが発見された。この古墳国衙遺跡のある西約1キロメートル地点存在し出雲国庁や意宇郡家に近いところに存在する1915年大正4年)に盗掘されており、。上述鉄刀もこの時発見されたものである石棺西側接し板状石を組み合わせた追葬用の施設中に収められてあった、という。同時に出土したものとして、「長子孫」銘の内行花文鏡ないこうかもんきょう)や3本大刀刀子(とうす)、鉄鏃てつぞく)、金銅丸玉、馬具類、須恵器などがある。また、1970年昭和45年)の調査で、墳丘上から多数円筒埴輪片と子持壺(こもちつぼ)が認められた。 出土当時大刀は完全なものであったが、のちに刀身半分失われ銘文末尾12文字残っているに過ぎず、錆も進んで解読可能な文字少なくなってきている。その銘文以下の通りである。 各田卩臣□□□素□大利□ 「各田卩臣」は「額田部臣」(ぬかたべのおみ)を指すものであると見られる前述『出雲国風土記』あるように、「額田部臣」は大原郡豪族と見ることができるが、出雲一族中には、姓を共通にし、氏の異なる部臣の氏が稀ではなく、ほかには「建部臣」(たけべのおみ・たけるべのおみ)・「勝部臣」(かちべのおみ・すぐりべのおみ)・「吉備部臣」などが存在することが判明している。そこから、額田部臣は出雲臣氏の一族として、意宇郡本拠地としたと考えることも可能である。鉄製大刀には、6世紀後半額田部伴造となった額田部臣の人物の一人大和政権からその名を刻んで賜与されたものと想像され出雲東部西部とで、異なった政治体制にあったことが想像される。 また当時、この地域豪族額田部氏本拠地であり、額田寺は彼らの氏寺であった本図には「船墓 額田部宿祢先祖」と注記されているものをはじめ多くの墓が描かれているが、それらは現在も現地確認することができ、5~7世紀古墳であることが知られている。本図からは、8世紀当時額田寺氏寺として信仰していた額田部氏が、同時に古墳一族の「先祖」墓として祀っていたことを読み取ることができる。この本図からも、古墳から氏寺へという氏族信仰対象変化、また一族結集の場の多様性窺うことができる。 出雲国には、額田部首氏や、無姓額田部氏分布していた、という。

※この「岡田山古墳出土鉄刀(出雲の額田部氏)」の解説は、「額田部氏」の解説の一部です。
「岡田山古墳出土鉄刀(出雲の額田部氏)」を含む「額田部氏」の記事については、「額田部氏」の概要を参照ください。

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