せんしょう‐せき〔センシヤウ‐〕【×尖晶石】
読み方:せんしょうせき
⇒スピネル
尖晶石(Spinel)

Aliabad,Hunza Valley,Pakistan
MgAl2O4 画像の幅約2cm
濃青色の正8面体結晶が尖晶石(スピネル)です。
白い母岩に入った青色結晶が美しい標本です。
尖晶石(Spinel)


Ampanivana pegmatite,Mania Valley,Betafo Region,Madagascar
MgAl2O4 画像の幅約1.4cm、1.5cm
紫色をした尖晶石(スピネル)の結晶です。
2枚の写真から双晶の形状を観察することができます。
尖晶石(Spinel)

Pain Pyit,Mogok,Myanmar
MgAl2O4 標本の幅約5mm
正8面体をした結晶で、赤色透明で美しい宝石になる鉱物です。
尖晶石(Spinel)

Pain Pyit,Mogok,Myanmar
MgAl2O4 標本の幅約3.5cm
珍しい母岩付きスピネルで、白い母岩に赤いスピネルが美しく映える標本です。
尖晶石(Spinel)

Parker mine,Notre Dame de Laus,Quebec,Canada
MgAl2O4 画像の幅約1.9cm
黒いスピネルの結晶で、特徴的な正八面体結晶をしています。
尖晶石(Spinel)

Vesuvio,Napoli,Italy
MgAl2O4 画像の幅約5mm
写真中央の黒い8面体結晶が尖晶石(スピネル)です。
ベスブ石で有名なイタリアのベスビアス産の標本です。
尖晶石(Spinel twin)

Pain Pyit,Mogok,Myanmar
MgAl2O4 画像の幅約2.4cm
白い大理石中の美しいスピネルで、特徴的な三角板状のスピネル式双晶をしています。
スピネル
(尖晶石 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/09 03:42 UTC 版)
スピネル(尖晶石) | |
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ベトナム産
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分類 | 酸化鉱物 |
シュツルンツ分類 | 4.BB.05 |
Dana Classification | 7.2.1.1 |
化学式 | MgAl2O4 |
結晶系 | 等軸晶系 |
へき開 | なし |
モース硬度 | 7.5 - 8 |
光沢 | ガラス光沢 |
色 | 無色 |
条痕 | 白色 |
比重 | 3.6 |
文献 | [1][2][3] |
プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学 |
スピネル(英: spinel[4])は、鉱物(酸化鉱物)の一種。
産出地
産地としては、ミャンマー、スリランカ、ナイジェリアが原産地である。
性質・特徴
無色または半透明で、赤色系(赤〜ピンク、蛍光ピンク)、青色系(紺〜水色)、紫色系(濃紫〜ラベンダー)緑色、オレンジ色、褐色、黒色などがある。八面体の結晶として産出する。
黄色は天然での産出がない。
赤およびピンクは、少量のクロムが原因で発色する。 クロム含有量が高ければ高いほど、赤の色相が強くなる。オレンジおよびパープルは、鉄とクロムの混合物が原因となる。紫から青のスピネルは、微量の鉄を含むことで発色し、コバルトスピネルと呼ばれる鮮やかな青は、少量のコバルトを含む。
ミャンマー産のレッドスピネルのよい色のものは秀逸であるが、価格が非常に高い。それ以外にも、青色、ラベンダー色、ピンク、そしてそれらの中間色のものがよく産出される。青色のものはしばしば鉄分を含み、ややくすんだ青になる。
スリランカ産では、レッドスピネルは少ないが、その代わりピンクのきれいなものが良くとれる。
それ以外の産地として有名なのは中央アジアのピンクスピネルであり、これは大変希少である。マダガスカルからも少量産出することが知られている。
ナイジェリア産としては「ブルーガーナイト(産地:ナイジェリア/カドゥーナ/カゴロ)」と呼ばれる青色のものが採れる(亜鉛を含むものをガーノスピネルその中でも主成分が亜鉛の場合はガーナイトと呼ばれる)。亜鉛とコバルトを含むスピネルをコバルトガーナイトという。
特殊効果
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この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2021年10月)
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キャッツアイ効果、カラーチェンジ、スター効果がある。すべてスリランカのものが有名である。ただし、キャッツアイにせよ、スター(4-rays、6-raysの両方がある)にせよ、ほとんどの石は、地色がチョコレート色なので、コレクターアイテム以上の使い道は期待できない。カラーチェンジについては、コバルトを含有したもののなかで、美しいブルーからピンクに鮮やかに変色するものがまれにある。ただ、これもコバルトスピネルが希少なものであり、その上、カラーチェンジがあるからといって、価格があがるということはないと思われる。
用途・加工法

宝石として加工される。
歴史
長い間、ルビーとレッドスピネルは混同されていた。
イギリス王室の戴冠式用の王冠に飾られている「黒太子のルビー」は、ルビーではなくレッドスピネルである。かつては古い産地であるアフガニスタンの地名をとって「バラス・ルビー」と呼ばれていた。[5]産地が極めて限定されており、しかも、産出量はそう多くないので、実際は稀少な石なのであるが、このような歴史的経緯から、「ルビーと紛らわしい石」と云ったレッテルを貼られ、人気や知名度も常にルビーの後ろに位置するので、それほど高価にはならない。
1783年、鉱物学者 Jean-Baptiste Louis de ROMÉ de L’ISLE(ジャン バティスト·ルイ·ド ロメ·ド リル)はスピネルをルビーとは別の鉱物として鑑別した。
かつては、無色の石がマグラックスと云った商標でダイヤモンド類似石に用いられていた。
現在では、ベルヌーイ法、フラックス法による合成品が製造されている。黄色は、この合成石でのみ存在する。
スピネル型結晶構造

スピネル型結晶構造をとる化合物には、電子材料として重要なものが多い。
- フェライト - AFe2O4、AはMn、Ni、Cu、Zn等
- NTCサーミスタ - Ni、Mn、Co、Feなどからなる複合酸化物
- マンガン酸リチウム - LiMn2O4、リチウムイオン二次電池の正極材料
スピネルグループ
現在ではスピネルスーパーグループのオキシスピネルグループ・スピネルサブグループに位置付けられる。
- スピネル (spinel) - 出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。
- 黒田吉益、諏訪兼位「5.1 D. 尖晶石類・スピネル類」『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』共立出版、1983年、165-167頁。 ISBN 4-320-04578-5。
- 松原聰「亜鉛スピネル」『日本の鉱物』学習研究社〈フィールドベスト図鑑〉、2003年、71頁。 ISBN 4-05-402013-5。
- 松原聰、宮脇律郎『日本産鉱物型録』東海大学出版会〈国立科学博物館叢書〉、2006年。ISBN 4-486-03157-1、ISBN-13:978-4-486-03157-4。
- 青木正博『鉱物分類図鑑:見分けるポイントがわかる』誠文堂新光社、2011年、74頁。 ISBN 978-4-416-21104-5。
関連項目
外部リンク
- Spinel Group (英語), MinDat.org, 2012年4月11日閲覧。
- Spinel〔スピネル〕グループ - 広島大学 大学院総合科学研究科 地球資源論研究室 福岡正人
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