富士急行8000系電車
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「小田急20000形電車」の記事における「富士急行8000系電車」の解説
運用離脱の発表から間もない2012年1月21日、富士急行がRSE車の取得に向けて交渉に入ったと報じられた。富士急行では2000形(旧JR東日本165系「パノラマエクスプレスアルプス」)を「フジサン特急」に運用していたが、同車の老朽化が著しく、部品の調達も困難になったことから、RSE車を譲り受けたうえで同車に代わる「フジサン特急」用に転用することになったもので、2013年11月11日付で1編成が譲渡された。 富士急行線での運用にあたり、7両編成の内の先頭車2両(1号車・7号車)と中間車1両(新宿側から2両目の6号車)を使用して、3両編成に変更した。なお解体された4両についても、台車・冷房装置・座席などの部品については予備部品として保管されている。車体には公式サイト上で行われたキャラクター投票で選ばれた44種類に、一般公募14種類を加えた「フジサン」キャラクターが描かれている。 改造の内容は以下のとおりである。 1号車(デハ20002→クモロ8001) 追加料金が必要な定員制の展望車両とすることとし、運転室後方の座席をゆったりと眺望を楽しめるソファータイプに変更した上で、最前部には子供向け運転台を設置した。一部座席はダブルデッカー車両の階下席に使用されていた座席を活用して3列シートとし、1人がけ座席の窓際には長手方向にテーブルを設置したほか、小グループ向けにセミコンパートメントを設けた。外観には大きな変更点はない。 2号車(サハ20052→サロ8101) 車体長の3分の1にあたる客室床面を400 mm下げ、車椅子スペースとして車椅子固定ベルトを設けた座席とボックスシートタイプの座席を設置し、暖房機も設置したほか、この部分の側面窓については下方に拡大した。また、この改造によって、それまで床下にあったCU45形冷房装置が搭載できなくなるため、ダブルデッカー車両に設置されていたCU702形冷房装置を屋根上に設置したほか、客用扉は折戸から引戸に変更した。便所については車椅子対応でおむつ交換台を備えた大型トイレに改装した。これ以外の客室内は小田急時代と同様である。こうしたバリアフリー化改造のため、外観は大きく変更された。 3号車(デハ20302→クモロ8051) 客室内は小田急時代と同様で、外観にも大きな変更点はない。 乗務員室 小田急時代との大きな変更点はなく、自動列車停止装置・列車無線などの保安装置を富士急行用に交換したほか、GPS測位機能付きの自動放送装置を設置した。なお、小田急で使用していた車内チャイムも使用可能となっているほか、小田急時代の形式表記も残されている。 各種機器 耐雪ブレーキ・レールヒーター・外部電源接続装置付き床下機器保温回路を設置したほか、集電装置はシングルアーム式に変更した。 富士急行での形式は8000系となり、2014年(平成26年)7月12日から運用を開始した。また、旧371系も上記の2000形を置き換え、「富士山ビュー特急」用8500系として2016年(平成28年)4月23日より運行を開始した。
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