富士急行のキハ58
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 18:50 UTC 版)
「国鉄キハ58系気動車」の記事における「富士急行のキハ58」の解説
1962年から富士急行線大月から中央本線の急行「アルプス」に併結して新宿まで乗り入れる急行「かわぐち」が運転を開始したが、富士急行線内および中央本線新宿-大月間は全線直流電化区間であるものの、併結する急行「アルプス」が非電化区間からの運転で必然的に気動車となることから、富士急行独自の併結用車両が必要となり、1961年12月に日本車輌製造で製造されたのがキハ58001・58002である。1963年には予備車としてキハ58003が製造された。 中央本線・富士急行線は急勾配路線であるため2基エンジン搭載のキハ58形とされたが、以下の点で国鉄仕様車と異なる。 車両番号は国鉄旧形電車と同様な5桁数字とした。 通常はキハ58001・キハ58002の2両で編成を組成するため両車は国鉄向け仕様と同一の片運転台車である。一方キハ58003は予備車ということから編成のどちら側にでも組成できる観点から両運転台車として製造。片運転台車と定員を合わせるためトイレ・洗面所を廃止。客室窓はそのままのサイズで後位側運転台側戸袋窓の広幅・大型化と客用扉の幅を縮小した。 1975年3月の「アルプス」全列車電車化により運用目的を失い、同年4月24日付けで廃車。その後58001・58002はトイレ・洗面所を撤去した上で3両とも同年7月に有田鉄道に譲渡され、1976年5月から運用を開始。同社のキハ07形を置換えた。 有田鉄道線は全線で平坦な線形であることとランニングコスト低減の観点から、1980年に国鉄高砂工場で全車が搭載エンジン1基化工事が施工された。また利用客の減少が続いたため単行運転が可能な両運転台型の58003が充当されることが多く、1994年6月に樽見鉄道から譲渡されたハイモ180-101の運用開始に伴い58001・58002は同年11月に廃車。58003は予備車として2002年の同鉄道廃止まで在籍した。
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