密造酒造りの一統
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/10 01:08 UTC 版)
「風の市兵衛シリーズの登場人物」の記事における「密造酒造りの一統」の解説
勝 平五郎(かつ へいごろう) 小菅村にある陣屋の元締。40歳過ぎ。借金のある河合屋とはべったりの関係であり、様々な便宜を図ることで密造酒造りの要の役割を担う。 事が露見した後に一統と共に収監されて裁きを待つ身となった。年貢に関わる不正や農民とはいえ役人である清吉の殺害は大罪であり、もちろん彼や一統には厳罰が下るものと思われる。 武智 斗馬(たけち とうま) 陣屋の加判。桜田の父が才能を認めた剣豪で、差料は2尺5寸(約76センチ)はありそうな同田貫。19歳の時に腕を見込まれて陣屋に勤め始め、清吉を斬り3名の武士と共に小金治一家への夜襲にも参加して小金治を斬殺した。密造酒造りも元々は彼の発案による。事件が明るみに出た後、身を隠していた道場を訪ねてきた市兵衞と対決して斬られた。 桜田 淳五(さくらだ じゅんご) 武州岩槻の浪人で、武智が学んだ戸田流の道場主。武智に頼まれ、軍次郎一家による小金治一家への夜襲や亀田屋襲撃に同行した。鉄蔵を人質に取ったお純を斬ろうとしたとき、助けに現れた市兵衞に頭蓋を割られて死んだ。 宮園 壮平(みやぞの そうへい) 桜田道場の門弟。桜田と共に小金治一家への夜襲や亀田屋襲撃に同行した。お純を助けに現れた市兵衞に喉をつかれて死んだ。 川勝 十郎(かわかつ じゅうろう) 桜田道場の門弟。桜田と共に小金治一家への夜襲や亀田屋襲撃に同行した。お純を斬ろうとしたとき市兵衞に体当たりを食らって昏倒し、その衝撃で片足が不自由になる。武智が市兵衞に斃されたとき、自分が遺体を葬ると言った。 鉄蔵(てつぞう) 砂村界隈の天領に縄張りを持つ貸元で、小菅陣屋から十手を預かり、地域の治安維持に協力している。元は砂村川の蒟蒻橋の袂で川人足や船子らを相手にする酒亭の亭主だったが、女遊びや博打を隠れて提供するようになり、次第に地域の顔役となっていった。最近では中川の東側にも縄張りを広げようとして、軍次郎ら各地の貸元と談合を重ねている。 お純の美貌に目を付けて妾にすることを望むが、自らが清吉のとどめを刺したとお純の前で口走ってしまい、最終的にお純に刺殺されてしまう。 軍次郎 西小松川村の貸元で、鉄蔵の息がかかっている。敵対する小金治一家への夜襲では不意を突かれて総崩れとなるが、武智によって小金治が殺されるとその縄張りを我が物とした。 元吉(もときち) 鉄蔵一家の代貸。お純の家に逃げ込んだ福次郎を、お純と共に捕縛した。その後、鉄蔵の長どすを奪ったお純に斬られて虫の息となった。 河合屋 錫助(かわいや すずすけ) 西小松川村にある酒造元「河合屋」の当主。元々は高利貸しで、陣屋元締の勝にも多くの資金を融通してきた。そして、勝の口利きで酒造株を手に入れた。 安くてうまいが、酒造に使える米の量が限られているために少量しか生産できず幻の地酒と呼ばれていた「梅白鷺」を、密造によって大量に提供して暴利をむさぼっている。そして、南葛飾でもう1件酒造株を持っている亀田屋を取り込んでさらに多くの密造を行なうことを目論んだ。 白子屋 利右衛門(しらこや りえもん) 深川の永代寺門前町にある地酒を扱う老舗酒問屋「白子屋」の4代目当主。30代半ば。河合屋から密造酒を仕入れて酒の不当廉売をしていた。 千倉屋 与左太郎(せんくらや よさたろう) 宝暦の頃、元々は小売業を営んでいた白子屋から暖簾分けする形で創業した米問屋の3代目当主。6年間租税免除された波除け新田の米は、実際には河合屋の密造酒造りに回されていたが、帳簿上は千倉屋が買い取ったよう偽装されていた。 三左衛門(さんざえもん) 白子屋と千倉屋の先代同士が共同出資して開拓した「波除け新田」の名主。7年前、波除け新田は高潮被害を受け、陣屋の見分によって3年間の租税免除措置を与えられた。そして、山左衛門の訴えにより、その措置がさらに3年延長された。こうして免除された年貢の分が河合屋による密造酒造りに回されていたのである。
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