家庭用ゲーム機におけるクロスプラットフォーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/24 00:32 UTC 版)
「クロスプラットフォーム」の記事における「家庭用ゲーム機におけるクロスプラットフォーム」の解説
家庭用ゲーム機におけるクロスプラットフォームという語は、ハードの垣根を越えてゲームなどのコンテンツを楽しむことができるプラットフォーム連携機能のことを指す。異なるハードメーカーの間ではサードパーティーのみで行われているが、ハードメーカーが発売するソフトでもサードパーティー製に遠く及ばないものの、それなりにある。具体的な機能としては、異なるハード間でのプレイを可能にする「クロスプレイ」、異なるハード間でのセーブデータの共有を可能にする「クロスセーブ」、ネットワークを通じてゲームを遠隔操作でプレイする「リモートプレイ」などがある。これらの機能を利用することで、家庭用ゲーム機のプレイヤーとPCのプレイヤーで対戦や協力プレイを楽しんだり、家では据え置き型のゲーム機で遊び、外出先では携帯型のゲーム機でその続きをプレイしたりするなど、より幅広い形でゲームを楽しむことができるようになっている。 また、家庭用ゲーム機におけるマルチプラットフォームという語は汎用コンピューターにおける意味とは異なり、ある一つのソフトウェアを各ハードウェア向けにそれぞれ別々に開発することを意味する場合がほとんどである。家庭用ゲーム機(コンシューマーゲーム)の場合はマルチプラットフォームという語の方が主に用いられる。 こちらは主に欧米で主流となっており、洋ゲーの主要タイトルのほか、キャラクターゲームやシネマゲームやスポーツゲームはこの手法を利用していることが圧倒的に多い。 日本でこの手法を用いるのは、それ以前は少数派だったが、似た性能のPlayStationとセガサターンで1995年から1998年のドリームキャスト発売直前までにかけて積極的に行ったことがあり、大手ゲームメーカーでは、KONAMIやカプコンなどが該当する。2001年、当時は児童・少年向けゲームが主体の任天堂からニンテンドーゲームキューブが発売されて以降、少し劣化した性能のPlayStation 2でもサードパーティー製児童・少年向けゲームが積極的にリリースされるようになり、殆どのタイトルでこの手法が採られていた。代表的かつ作品単位で行われているものとしてはコンパイル→セガの『ぷよぷよ』シリーズが該当し、ほぼ全ての主要タイトルでこの手法が用いられている。2007年以降はPlayStation 3とXbox 360の双方で大作タイトルが積極的にリリースされており、後にPCも加わり、現在の大作タイトルは、この手法が一般的となっている。 囲い込みを至上とした(かつては)家庭用ゲーム以外では、例えば8ビットパソコン時代のパソコンゲームのように、わざわざそのようなご大層な名前で呼んだりすることもなく、普通にあたりまえにあったものである。 メリットとして、ハード間である程度素材を流用できるため、別々にソフトを開発するよりも製作費や時間を抑えられ、より多くの人に買ってもらえる有効な手段である。ただし、ゲーム機の仕様として、インターフェースや表示手段などの動作環境がハードに強く依存しているため、ハードウェア性能が著しく異なる場合、ゲームデザインのレベルから再構成する場合もあり、中には同じ作品でありながら、テーマや世界観以外は全く異なるゲームとして発売されているものも存在する。
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