実写作品の制作進行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/03 08:31 UTC 版)
アニメーション業界の制作進行が担当話数の管理者(マネージャー)であることに比べ、実写作品において制作進行とは制作部の仕事において最初に任される役回りである為、助手の様な仕事と思われがちである。また一番分かりやすい仕事として弁当発注やゴミの片付け等と簡単に説明される為に他部署のお世話係の様なイメージが強いのか、アシスタントや助手の様な仕事と思われがちな理由かもしれない。 しかし実際には一人前の制作進行の仕事は多岐に渡り、現場においての責任も助手やアシスタントと言うには重いものであり、他の部署のスタッフと同様、制作進行が現場にいなければ現場はスムーズに回らない。 仕事の守備範囲や責任において、独立した一つの役職と考えた方が実際の制作進行の仕事を理解しやすい。例えば他の部署であれば、カメラマンや照明技師、録音技師等の各部署の長の下はチーフ、セカンド、サードと呼ばれる事が多い。その点、制作部は、制作担当、制作主任、制作進行からなる。 制作担当は現場制作費の管理・実行・ロケーションの監督・制作部の指揮・他部署との折衝を行う。制作担当は現場及び、現場制作費の管理・実行の裁量権を持つが、天候・出演者スケジュール・スタッフィング等決定権を持たない部分の影響が大きく現場予算に反映されるため、現場実行費に対しては表向きには責任を負わない。制作主任は現場、現場進行の管理、準備段階では制作担当・制作主任共に、ロケ地を探すロケハンを担当しその交渉に当たる 。制作進行はロケ地までの地図の作成、スタッフへの連絡、弁当の発注、現場で使用する制作備品(キャストの椅子、テープ類やタオル、雑巾、雨具、車止めのパイロン、赤色灯、虫除け救急セット、お茶セットなど)の購入、管理、そして何より現場において主に画の外にあたる部分の進行を任されている。 制作車を通常運転し、現場に一番初めに入り、撮影機材置き場の確保、衣裳メイク場所・キャスト控え室・お茶セットのセッティング、現場を傷つけないように緩衝材をひくといった現場のセッティングを行い、後から来るスタッフの誘導を行う。現場が終われば、その逆の動きをして撤収する。 朝食、昼食、夕食の弁当を手配・セッティングし、ゴミの分別・処理を行う。 必要であれば現場の車止めを行い、録音の為に工事現場などの音止め交渉を行う。 毎朝スタッフ・キャストの為のお茶を沸かさなければならないため早朝4時起床、制作車の運転、食事の発注とセッティング、車止め、音止め、ゴミの処理、撮影終了後の清掃を行う等の為、現場が始まると睡眠時間は2~3時間となる日もある。 制作部は車の運転をしなければならないため、運転免許証は必須である。
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