学校の種類別といじめの様態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 16:03 UTC 版)
「いじめ」の記事における「学校の種類別といじめの様態」の解説
学校の種類別では、幼稚園・保育園では小学校や中学校のようないじめはないという。積極的な子供が消極的な子供を従えているようにみえる「子供同士の力関係」や、「子供のコミュニケーション能力の未発達」による玩具等の横取り、手を出すことをいじめととらえてしまう親もいるという。 学年別動向の統計調査では、小学校では、「冷やかし」の割合が多いが、「仲間はずれ」の割合が、他の区分に比べて多い。国立教育政策研究所追跡調査(2004-2009)によれば小学校・中学校で「仲間はずれ、無視、陰口」が3年間の間に全く無かった児童生徒はそれぞれ22.6%、27.6%で、3年間連続でいじめがあった児童生徒は小学校・中学校でそれぞれ0.4%、0.6%であった。しかし、小学校でもいじめを苦にした自殺事件はあり、2005年の滝川市小6いじめ自殺事件や2010年の桐生市小学生いじめ自殺事件ではフィリピン系の生徒が自殺した。 中学校は統計上、いじめが最も多くなる年代である。国立教育政策研究所調査(2004-2009)によれば、学年別で見た場合、中学1年生だけで17,063件のいじめが認知されており、この数字は小学6年生(4,262件)や高校1年生(3,701件)に比べ4倍以上多い。男女比では、54.8%が男子、45.2%が女子である。 高等学校では「冷やかし」と「暴力をふるう」割合が高い。いじめによって退学する場合もある(人間関係を理由とした中途退学は、2005年度で7.4%)。先輩が後輩をいじめる事例もある。大学に於いても特に体育会系のクラブで、先輩からの「しごき」という名のいじめは昔から存在する。これに関連して、継続的な悪質ないじめで、訴訟沙汰になった例もある。また、2007年の追手門学院大学いじめ自殺事件では在日インド人学生がいじめで自殺し、自殺した生徒の父親も1年後自殺した。 いじめの様態別認知件数(文部科学省、平成19年度、複数回答あり)小学校中学校高等学校特別支援学校合計総数構成比総数構成比総数構成比総数構成比総数構成比冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる。 32,110 65.7 28,061 64.5 4,646 55.6 194 56.9 65,011 64.3 仲間はずれ、集団による無視をされる。 11,896 24.3 9,489 21.8 1,455 17.4 56 16.4 22,896 22.6 軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする。 9,980 20.4 7,120 16.4 1,712 20.5 64 18.8 18,876 18.7 ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする。 2,317 4.7 2,525 5.8 737 8.8 27 7.9 5,606 5.5 金品をたかられる。 764 1.6 1,369 3.1 498 6.0 12 3.5 2,643 2.6 金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする。 3,254 6.7 3,448 7.9 671 8.0 32 9.4 7,405 7.3 嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたりする。 2,854 5.8 2,636 6.1 795 9.5 30 8.8 6,315 6.2 パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる。 534 1.1 3,633 8.4 1,701 20.4 25 7.3 5,893 5.8 その他 1,980 4.0 1,317 3.0 388 4.6 19 5.6 3,704 3.7
※この「学校の種類別といじめの様態」の解説は、「いじめ」の解説の一部です。
「学校の種類別といじめの様態」を含む「いじめ」の記事については、「いじめ」の概要を参照ください。
- 学校の種類別といじめの様態のページへのリンク