多摩ニュータウンの現在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 09:08 UTC 版)
「多摩ニュータウン」の記事における「多摩ニュータウンの現在」の解説
2021年時点で多摩ニュータウンの人口は22万人に達したが、全人口の25.7%を高齢者が占めるという状況で、高齢化が進んでいる。特に住宅難の解消を目的としてオイルショック以前に建設された諏訪・永山地区の団地では、画一的で住戸面積が狭いため多様な世帯を受け入れることができず、家賃も安いことから必然的に高齢者が集中し高齢化の温床になっている。オイルショック以降に定住性を重視して建てられた専有面積100平米を超すマンションやタウンハウスにおいても、老夫婦や独居老人が住み続け、過剰な住宅規模で持て余しているといったケースが見られている。また、2009年現在、東京都で一番クラス数の多い小学校は多摩ニュータウンにある一方で、1住区につき4小学校2中学校が建設された1970年代の開発地区では、少子化の進行によりそれ以降の開発地区と同様の2小学校1中学校へ再編が進んでいる。今後、多摩ニュータウンの人口は2025年頃にピークを迎え、2050年には、2010年現在より7%人口が減少し、高齢化率は35%に達すると推計されている。建築物も同時期に供給されたため一気に経年劣化し、新たな価値の再生が必要なことが指摘されている。そうしたなか、住民レベルでは分譲マンションの建て替えが進められているほか、行政は都営住宅の建て替えや、住み替え支援といった取り組みを進めている状況である。諏訪・永山地区の諏訪2丁目では複数棟の団地を一括で建て替える日本最大級の大規模な団地リニューアルが行われ、「ブリリア多摩ニュータウン」(東京建物)として間取り・設備の現代化と住民の年齢構成の平準化を図っている。都市再生機構の賃貸住宅については「団地の福祉拠点化」として、高齢者にとって住みやすい環境の整備が行われている。 買い物難民対策として、東京都と多摩市が京王グループの協力を得てニュータウン内の都営住宅(愛宕団地)に移動販売車を導入するなど、建て替えや住み替え以外の高齢者支援も取り組まれつつある。 行政改革等の煽りもあり公的な開発は、東京都が2003年で、都市再生機構(旧 住宅・都市整備公団、日本住宅公団)が2006年ですべて終了し、未開発用地244ヘクタールは売却して民間等による開発に委ねられることとなった。これらの民間売却地には高層マンションがいくつも建設されてきており、中低層の住宅を中心とした、ゆったりとした街並みは大きく変わろうとしている。 2018年2月19日には、東京都が目標年次をリニア中央新幹線開通後の2040年代とした、多摩ニュータウンを含む「多摩イノベーション交流ゾーン」の設定を位置付ける「多摩ニュータウン地域再生ガイドライン」を公表しており、施設の老朽化・南大沢駅付近の未開発地・交通網再編の課題において再開発計画を立てている。
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