多摩ニュータウン西部地区への延伸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 02:27 UTC 版)
「京王相模原線」の記事における「多摩ニュータウン西部地区への延伸」の解説
1980年代に入ると、多摩ニュータウンでは西部地区にも開発が進展し、多摩ニュータウンの人口は1980年に6万人だったものが、1987年には10万人に達した。多摩センター駅周辺で開発が進むなか、西部地区でも開発が進んで1983年に八王子市南大沢で入居が始まった。西部地区での鉄道開通前には、住民の足として南大沢から多摩センター駅までのバス路線が暫定的に運行された。 延伸にあたっては、現在の京王多摩センター駅と京王堀之内駅の間にあるゴルフ場「府中カントリークラブ」の敷地内を通過するため、問題が生じていた。工事着工にあたりクラブ側に補償金5億円を提示したが拒否され、10億8,800万円まで引き上げるほか、地下に長さ500メートルのトンネルを建設し、13・14番ホールの中間で地表に出る設計を提示して交渉にあたった。しかしクラブ側は、(1)13・14番ホールは地表に出る部分を隠すために土盛りや芝生植え替えなど大幅なコース改造が必要 (2)工事期間中、ビジター料金収入が大きく減少する として補償金のさらなる引き上げを求めた。ルート変更も困難であったことから、京王と日本鉄道建設公団は強制収用の準備にかかったが、最終的には、トンネル出口部分を短縮し、コースレイアウトの変更を行うことでクラブ側とは同意に至り、補償金10億8800万円で和解し、1986年10月1日に「多摩センター第一トンネル」として着工、翌1987年に完成した。 この問題の解決により延伸計画は前進し、1987年3月に橋本駅まで一気に開業する予定で計画が進められたが、今度は橋本駅付近で土地取得が難航した。橋本駅の終端部分と入口部分の地権者が買収を頑なに拒んでいたのである。一方で入居が進む多摩ニュータウン西部地区ではその足の確保が急務となっていたことから、1988年5月21日に京王多摩センター駅 - 南大沢駅間が開業した。これにより、南大沢から多摩センター駅への暫定的なバス路線の運行は終了した。
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