外典 戯曲『王冠のダイヤモンド』とは? わかりやすく解説

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外典 戯曲『王冠のダイヤモンド』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/19 06:43 UTC 版)

マザリンの宝石」の記事における「外典 戯曲『王冠のダイヤモンド』」の解説

王冠のダイヤモンド――シャーロック・ホームズとの一夜』(おうかんダイヤモンド――シャーロック・ホームズとのいちや、The Crown Diamond : An Evening with Sherlock Holmes)は、コナン・ドイルによるシャーロック・ホームズ登場する戯曲である。短編小説マザリンの宝石」の原作となった戯曲で、シャーロック・ホームズシリーズでは経外典 (Apocrypha) として扱われている。1921年5月2日ロンドンヒッポドローム劇場初演され1958年にバスカレット・プレス社から私家版として刊行された。主演ホームズ役はデニス=ニールセン・テリー、ワトスン役R・Vテイラーである。28上演されただけで公演終了し忘れ去られてしまった。そのため、1949年シャーロキアンアンソニー・バウチャー指摘するまで、短編マザリンの宝石」との関係も知られていなかった。 戯曲内容は「マザリンの宝石」とほぼ同じで、犯人役の名前がシルヴィアス伯爵ではなく短編空き家の冒険」に登場するセバスチャン・モラン大佐となっていること、犯人の逮捕で話が終わりカントルミヤ卿が来訪しないことなどが異なる。初演1921年だが、原稿筆跡鑑定結果ドイル息子証言などにより、執筆されたのは1900年代初頭であり、1903年発表の「空き家の冒険」より前であった推測されている。戯曲執筆後長期に渡り発表されなかった理由として、蝋人形空気銃仕掛け犯人役の名前など戯曲用いた要素を、シャーロック・ホームズの生還物語空き家の冒険」に使おうしたためとされている。その後1921年5月になって初め戯曲王冠のダイヤモンド』が上演され10月には短編小説マザリンの宝石」として発表された。短編では「空き家の冒険」で既にセバスチャン・モラン大佐の名前を使用していたため、新たな犯人役としてシルヴィアス伯爵登場させたのである。 ウィリアム・ベアリング=グールドがジェイムズ・モントゴメリーの1953年論文引用して示すところによると、エドガー・W・スミス示した、「マザリンの宝石」がドイルによる偽作であるという見解正しかったとしている。『王冠のダイヤモンド』の原稿入っていたボール箱ドイル息子と娘によって英国地方銀行地下金庫から発見されたことが、1947年7月11日新聞掲載されている。モントゴメリーがこの原稿読み、『王冠のダイヤモンド』と「マザリンの宝石」が全く同一プロットであること、小説が劇の後で書かれたことはあらゆる証拠示していると指摘している。さらにモントゴメリーバウチャーの「この物語(「マザリンの宝石」)はドイル自分不人気劇作品救おうとして書いたのだ」「この物語本質的に第四の壁視点から見た一幕劇である」という指摘を「驚くべき洞察」であると評価している。

※この「外典 戯曲『王冠のダイヤモンド』」の解説は、「マザリンの宝石」の解説の一部です。
「外典 戯曲『王冠のダイヤモンド』」を含む「マザリンの宝石」の記事については、「マザリンの宝石」の概要を参照ください。

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