培養肉への食品・畜肉企業の参入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 06:29 UTC 版)
「培養肉」の記事における「培養肉への食品・畜肉企業の参入」の解説
The Good Food Institute(英語版)の2020年細胞培養食品業界の動向レポートによると、2020年現在、細胞培養食品の商業開発に取り組む企業の数は全世界で70社以上。また、40社以上のライフサイエンス関連企業が細胞培養食品開発を行う企業に技術支援などで関わっているという。さらに、2020年に実施された当該分野への投資額は3億5000万ドル(約371億円)以上で、これは2020年以前の累積投資額の約2倍の規模となっている。 2022年5月に食肉世界最大手のJBSが、培養肉製造拠点を建設するなど、大手食肉企業の培養肉市場への参入が、近年目立つ。 食品企業の培養肉市場への参入状況は次の通り。 世界最大の農業企業の1つであるカーギルが培養肉のスタートアップであるメンフィス・ミーツに投資。その後2019年には同じく培養肉を開発するアレフ・ファームズ(Aleph Farms)に投資。Memphis Meatsは培養の牛肉・鶏肉・鴨肉を大規模に生産するための工場を試験的に建設中である(2019年)。 2018年、食肉加工大手のタイソンフーズは、培養肉の開発を行うイスラエ肉ルのバイオテクノロジー企業であるFuture Meat Technologies(英語版)に200万ドルを投資した。 2018年1月、イスラエルのバイオテック・スタートアップであるSuperMeat(英語版)が、ドイツの畜産食肉大手であるPHW(ドイツ語版)などから300万米ドルを調達。2015年にテルアビブで設立された SuperMeatは3年以内に、食料品で現在販売されている従来の鶏肉製品と同等の価格で、「Clean Chicken」を市場に出そうとしている。 2021年、ブラジル食品メーカー第2位のBRFは、イスラエルの培養肉スタートアップであるアレフ・ファームズとパートナーシップを結んだ。 2021年4月、マグロ加工の世界大手タイユニオンが、培養シーフード開発会社であるBlueNaluと日本最大の貿易会社 三菱商事との協議書に署名、アジアでの培養シーフードの市場開発戦略の提携を発表した。 2021年7月、ネスレが培養肉市場に参入する計画を発表。 2021年11月、ブラジルの世界最大手食肉企業JBSは、スペインの培養肉会社を1億ドルで買収することに合意。 2022年1月、培養シーフード開発会社であるBlueNaluは、APAC地域全体に1000を超えるレストランを運営する大手多国籍寿司ブランドのFood&Life Companies(日本国内ではスシロー)との提携を発表。 2022年1月、イスラエルの食品市場のシェアの約15 %を占める大手食品メーカーツヌバ(英語版)が、バイオテクノロジー会社のプルリステム・セラピューティクス(英語版)と、培養牛肉の開発・販売に向けたジョイントベンチャーを設立。 2022年3月、培養シーフードのスタートアップFinless Foodsは、総額3,400万ドルの資金調達を完了したが、調達先には日本の水産養殖企業であるダイニチも含まれている。 2022年3月、味の素が、培養鶏肉の開発や製造を手がけるイスラエルのスタートアップ、スーパーミートに出資し、両社の戦略的パートナーシップを発表。 2022年4月、ヨーロッパ最大の家禽生産者のPHWグループ(ドイツ語版)が培養肉の食品技術会社であるSuperMeatと提携。
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