地盤の状態による例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 13:58 UTC 版)
地盤が弱い地域の場合、大きい震度が観測される。深発地震での例も参照。 豊岡市(兵庫県) 豊岡(気象庁の観測地点)は、最大有感距離地点(震度1以上が観測される最も震源からの距離が遠い地点)となることがある。兵庫県南部地震(1995年)等において、震源距離が近い大阪や姫路よりも大きい震度が観測されている(豊岡:震度5、大阪・姫路:震度4)。千島列島沖地震では最大有感距離地点(震度1)を観測した。2011年4月は東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の余震活動などで4回震度1が観測され、4月7日の宮城県沖地震(深さ66km、M7.2)や4月16日に宇都宮市で震度5弱を観測した地震(深さ79km、M5.9)は深発地震に起因するものだった。また、2016年の熊本地震の活動でも、震度1以上を6回観測した。 諏訪盆地周辺(長野県) 諏訪盆地周辺は、諏訪湖の堆積層のため、地盤の弱い地域である。このため、周辺の松本盆地(松本市・塩尻市など)や伊那谷北部(伊那市など)に比べ、大きい震度が観測されることが多い。 宮代町笠原(埼玉県) 埼玉県が宮代町役場に設置した震度計の観測地点名「宮代町笠原」は、東北・関東の太平洋海底を震源とする地震で埼玉県内最大震度が観測されることが多い。2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震では、埼玉県で震度入電のある観測点の中で最大の「震度6弱」が観測されている。 会津若松(古川町、福島県) 東日本大震災発生前では、2006年10月14日に福島沖で発生した地震で最大の震度3が観測されている。福島県のほかの観測点では震度2か震度1だった。また、2008年7月21日に発生した福島沖の地震でも、浜通りの葛尾村とともに震度4を観測した。 二宮町(神奈川県) 地震計が設置してある消防署(中里地区に所在)は、周辺の田畑を区画整理し造成した住宅地の一角にあり、そのため地盤が弱いとされていた。 2015年5月30日の小笠原諸島西方沖地震(深さ682km)では震度5強を観測したが、隣接する大磯町では観測された震度は4だった。この地震では、上述の埼玉県宮代町も震度5弱を観測している。 東日本大震災の本震でも震度5強を観測したほか、前震でも震度3を観測している。 輪島市門前町(石川県) 2012年2月8日の佐渡島の地震(M5.7)や2017年6月25日の長野県南部の地震(M5.6)で震度4を観測した。 同じく石川県能登地方の「穴水町大町」については、設置環境に問題があるとして2011年8月2日に震度計の切り替えが行われたが、この問題を気象庁が6年以上にわたって放置していた。。 宝永地震での地震分布の例 宝永地震では、出雲および信濃に「地震みち」が見られ、出雲平野特に出雲大社門前町である杵築辺では、安政南海地震および昭和南海地震でも宝永地震と同様に家屋倒壊の被害が生じた。この原因としては地盤震動特性や地盤速度構造の影響が少なからず存在するとされる。
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