四つの完成されたフォルム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 18:12 UTC 版)
「水井康雄」の記事における「四つの完成されたフォルム」の解説
揺動する彫刻/オシロレリーフ 1972-1982頃 オシロレリーフとは、直線が縦振動と横振動をしながら電熱線で切ったフォル ムである。一見自由にみえるフォルムであるが、注意深い技術的なコントロールを秘めている。このフォルムは、《開く壁》Le mur qui s'ouvre(コンクリート/4,5m x 13/フランス,ランブイエ高校/1973)によって考案され、以後、十年近い制作の基本アイディアとなった。この写真の彫刻は、《複揺》Oscillo-Complexe(石/3m x 1,3 x 1,2/1981美ヶ原高原美術館 長野)における第二回ヘンリー・ムーア 大賞展に招待された時の作品で ある。作品は7トンにも及び、作者はフランスの ナンシーで制作し、完成した作品は飛行機で日本に運ばれた。 壁状の彫刻 1964 - 1964年東京オリンピック《余韻の化石》Les murs des fossiles(と1968年フランスのグルノーブル冬季オリンピック《マクロコズムとミクロコズム》Macrocosme et Microcosmeにみられるような壁状のレリーフ。この写真は、《コスモス》Cosmos(石/15m x 18 x 0,06/1970/フランス、ビルフランシュ工業学園 Cité Technique deVillefranche-Sur-Saöne France )「天地の発想で6cmの厚さ360枚の石板の壁に光と陰を模索した。」 大きな頭のような彫刻 1960 - 1971 《ネゲブの自然に捧ぐ》Hommage à Néguev(大理石/3,7m x 1,7 x 0.6/1962イスラエル ネゲブ砂漠)イスラエルシンポジウムの時に制作された作品。水井曰く「この2ヶ月の制作期間は私にとって野生の大自然の洗脳であった。まるで 私の彫刻はこの砂漠という広大さのなかで、大海における一滴の水のようだと感じた。この大自然を前に、はじめて心から謙虚に鑿ノミをとることができた。最後に頂上部分に楕円穴をくり抜いた時、太陽の光が自分のほうへ昇って来たと感じた。」 彫刻ジグザグ 1973-1974 《ジグザグ》ZigZag(石/2m x 0,4 x 0,4/1974/フランス ラコトのアメリカ美術学校)発泡スチロールを立体画用紙のように切り出し構築した作品。このアメリカの美術学校で、水井は夏の期間、野外彫刻の指導をした。前世紀半ば、田舎の過疎化に乗じて、パリのアーティスト達は競って各地にアトリエをもった。プロバンスのラコストのマルキ・ド・サド公爵の城近くにはニューヨーク出身の画家ベルナールフリムが村の中心にアメリカの大学生を対象にした美術学校を開いた。水井は20年も関係し、毎夏一点の作品を生徒とともに作った。
※この「四つの完成されたフォルム」の解説は、「水井康雄」の解説の一部です。
「四つの完成されたフォルム」を含む「水井康雄」の記事については、「水井康雄」の概要を参照ください。
- 四つの完成されたフォルムのページへのリンク