和気真綱とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 学問 > 世界宗教用語 > 和気真綱の意味・解説 

わけのまつな 【和気真綱】


和気真綱

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/21 14:58 UTC 版)

 
和気 真綱
和気真綱 / 『前賢故実』より
時代 平安時代初期
生誕 延暦2年(783年
死没 承和13年9月27日846年10月20日
官位 従四位上参議正三位
主君 桓武天皇平城天皇嵯峨天皇淳和天皇仁明天皇
氏族 和気氏
父母 父:和気清麻呂
兄弟 広世、達男、磐梨為綱(妙運)、真綱仲世藤原葛野麻呂
豊永、好道、貞興、観光
養子:貞臣和気仲世子)
テンプレートを表示

和気 真綱(わけ の まつな)は、平安時代初期の公卿民部卿和気清麻呂の五男。官位従四位上参議正三位

経歴

若くして大学寮で学び、史伝を読み漁った[1]延暦21年(802年)20歳で文章生に補せられ、延暦23年(804年)に初めて官吏に登用されて内舎人に任ぜられる。平城朝では治部少丞中務少丞を歴任する。

嵯峨朝に入り、播磨少/大掾蔵人春宮少進を経て、弘仁6年(815年従五位下・春宮大進に叙任される。その後、左右少弁左右少将を経て、弘仁13年(822年)従五位上に、天長元年(824年)までに正五位下に叙せられた。また同年には、かつて父・和気清麻呂が建立し桓武天皇により定額寺に列格されていた神願寺について、寺域が汚れているとして、高雄山寺の寺域と交換して、新たに神護国祚真言寺と称して改めて定額寺することを、弟・仲世と共に言上して許されている[2]

その後、淳和朝から仁明朝にかけて、大/中弁を初めとして諸官を歴任し、重要な官職で就任しないものはなかったという。天長5年(828年従四位下承和4年(837年)従四位上・左近衛中将兼右大弁に叙任され、承和7年(840年参議に任ぜられ公卿に列した。左近衛中将在任時には、俸禄と自らの私財により摂津国の良田を購入して、近衛府厨家に納め、その費用の足しにしたという[1](摂津国柏梨荘)。

その後右大弁として、承和9年(842年)に発生した承和の変、承和12年(845年)に発生した善愷訴訟事件審理にあたるが、後者を巡って下僚である右少弁・伴善男の告発を受けて、自宅の門を閉じ、直後に憤死した。「塵の立つ道は人の目を遮ってしまう。不正な裁判の場で、一人で直言しても何の益があるだろうか。官職を辞めるべきだ。早く冥土に向かおう。」と憤慨しながら官職を追われて、この世を去ったと伝えられている[1]。承和13年(846年)9月27日、卒去。享年64。最終官位は参議従四位上。なお同年11月には、真綱と共に告発された同僚4名の弁官は位記を奪われて、贖銅を科されるが、真綱は既に死去していることを理由に処罰を免れた。

人物

生まれつき人情に厚く、忠孝を兼ね備えていた。政務を執り行うにあたり、私利私欲や不正はなかった。素より仏教への信仰心があり、帰依していた。天台真言両宗の立宗は、真綱と兄・広世の力によるものであるという。[1]

官歴

注記のないものは『六国史』による。

系譜

脚注

  1. ^ a b c d e 『続日本後紀』承和13年9月27日条「天台真言の建立者」
  2. ^ 日本後紀』天長元年9月27日条
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab 『公卿補任』
  4. ^ 『公卿補任』では13日とするが、『日本紀略』では12日に任官記事あり(市川[1989: 2])
  5. ^ 『弁官補任』
  6. ^ a b c d e 「和気氏系図」『続群書類従』巻第171所収

出典



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「和気真綱」の関連用語

和気真綱のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



和気真綱のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
中経出版中経出版
Copyright (C) 2025 Chukei Publishing Company. All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの和気真綱 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS