名誉毀損訴訟とバッシング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 18:02 UTC 版)
「村中璃子」の記事における「名誉毀損訴訟とバッシング」の解説
2016年8月17日、池田側は、雑誌記事が研究成果を捏造だと断定したのは名誉毀損であるとして、東京地方裁判所に村中およびWedgeを発行するウェッジ社、元編集長の大江紀洋に対して訴訟を起こした。池田側は損害賠償や謝罪広告の掲載と記述の削除を求めている。 村中は、後述のジョン・マドックス賞の受賞スピーチのなかで、被害者団体の抗議がメディアの編集部や出版社の株主の社長室や株主の会社に影響力のある政治家のところにも及び、元東京都知事の娘で被害者団体と親しいNHKプロデューサーが村中の住所や職場や家族構成といった個人情報を得ようとし、自身と家族には山のような脅迫メッセージが届いたと述べている。また、連載中だった村中の記事は全て打ち切られ、刊行予定の著書の出版も中止され、その後日本を代表する8つの出版社に断られたが、9番目の出版社から刊行予定であると述べた。著書は2018年2月に平凡社から出版された。 「守れる命を守る会」が裁判の訴訟記録を公開している。同会では、厚生労働省が録音不可としていた厚生労働科学研究事業成果発表会の録音資料が公開されており、入手経緯について同省から問い合わせがあった。これに対して同会は、同発表会は公共性が高いとしたうえで、入手経緯を公開することは同会の活動に支障が出るおそれがあると回答し、同発表会の情報公開を求めた。 2019年3月26日、東京地方裁判所は村中とウェッジ社側の名誉毀損を認め、計330万円の損害賠償を命じ、発行元のウェッジ社には記事の一部削除と謝罪広告の掲載を命令した。東京地裁は池田が研究結果を捏造した事実は認められず、村中とウェッジ社側の取材は不十分だったとした。同年4月8日、村中は判決を不服として控訴した。一方、ウェッジ社は判決を受け入れ、330万円全額を賠償することとして、同年4月19日、ウェブサイト上の記事を一部修正し、代表取締役江尻良の「お詫び」を掲載し「池田修一氏が厚生労働省の研究班の研究活動において捏造行為を行ったとする誤った内容の記事を掲載したことで、池田修一氏の名誉を著しく傷つけ、多大なるご迷惑をお掛けいたしました。ここに謹んでお詫び申し上げます」と述べた。紙媒体では『Wedge』2019年6月号に「池田修一氏に対するお詫び」を掲載した。 控訴審では、2019年8月28日の第1回公判を経て、同年10月30日、東京高等裁判所は判決で村中の名誉毀損を認め、損害額を一審と同額の計330万円と認定した。東京高裁は池田に研究成果の捏造の事実は認められないとし、村中の取材不足を指摘した。一方、ウェッジ社側が控訴せず、賠償金支払いや謝罪広告掲載などを済ませたことから、ともに連帯債務を負う村中の債務は消滅しているとして、一審判決の村中敗訴分を取り消した。同日、判決後の記者会見で、村中は上告申立てを行う方針を明らかにした。 上告提起および上告受理申立てを受けて最高裁判所は2020年3月9日、いずれについても却下の決定を下した。
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