原子力災害ロボット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/20 05:40 UTC 版)
「レスキューロボット」の記事における「原子力災害ロボット」の解説
原子力用ロボット/原発ロボットには、原発緊急時の為の原子力災害用、通常の検査・メンテナンス用、特殊目的用 があり、通常の検査用は1970年代以降に開発され、配管溶接部の検査や、人が近づきにくい場所の補修作業などに既に用いられている。 “ロボット王国”を自認する日本では、福島第一原発事故直後の初動で国産ロボットを投入できず、米国製に頼ったことが痛恨の極みとして語られる。ただし日本国内でも原子力災害ロボットが開発されていなかった訳ではない。また、事故直後の4月11日、国産無人重機ロボットが原発敷地内に投入され、瓦礫撤去作業を行なっている。事故後に投入された無人ロボットの中では3番目の早さである。 原発ロボットプロジェクトには経産省系と文科省系の2つがあり、ロボットを開発はしたがその後維持・運用する予算が付かず、廃棄されたかメンテナンスされなかったのは「極限作業ロボットプロジェクト」(1983~1990年)など、通産省時代を含めた経産省系のものである(後述)。もう一方の文科省所管の財団法人・原子力安全技術センターによる原発緊急時の為の「防災モニタリングロボット A」と「同 B」は2000年に開発され実用化している(画像あり)。 この2台のロボットはカメラ撮影・放射線計測・走行・軽作業を基本機能とし、各種機能の向上を目指して試験が繰り返されており、2006年~2010年度までの「原子力総合防災訓練」にも投入されている。事故前年の2010年10月の青森での訓練にも投入されたばかりであり、2008年には福島第一原発での訓練にも使われている。一部メディアの「国産の原子力災害用ロボットは開発されていなかった」との報道は事実ではない。 2014年1月時点で、福島第1原発では、クインスなどの走行ロボの他、飛行ロボや潜水ロボなど、20種類以上のロボットが活躍している。 原子力安全技術センター(文科省系)が開発・実用化した原子力災害ロボット防災モニタリングロボット A(映像撮影機能重視) 防災モニタリングロボット B(雰囲気計測機能重視)
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