労働者統制とは? わかりやすく解説

労働者統制

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/29 04:15 UTC 版)

四月テーゼ」の記事における「労働者統制」の解説

二月革命直後から、労働者は各工場工場委員会設立し労働時間短縮賃金の引き上げ要求しはじめた工場委員会経営統制する活動にも踏み込んだ。この「労働者統制」は四月テーゼの「統制」とは異なるものだった後者資本主義諸国導入されていた統制経済延長線上にあるもので、戦争による経済崩壊避けるためのものだった。しかし労働者統制はアナルコ・サンディカリズム影響を受けたもので、資本家にたいする直接的な闘争だった。 レーニン6月1日工場委員会協議会のために「崩壊との闘争経済的諸方策についての決議」を起草した若干修正され採択され決議は、「物資生産分配にたいする真の労働者統制」を主張し、それに参加する権利工場委員会与え、また金融銀行業務にも労働者統制を及ぼさなければならない主張した。そして最後に、「以上に述べたすべての方策は、全国権力労兵ソヴェトの手に移る場合にのみ計画的かつ成功裏実行することができる」とし、四月テーゼ枠組中に労働者統制を取り込んだ9月レーニン執筆したさしせまる破局、それとどうたたかうか』は、戦争による経済崩壊にたいする方策として、交戦諸国実施されている方策ロシアでも実施することを主張したその内容は、銀行の国有化シンジケート国有化営業秘密の廃止経営者業界団体への統合消費規制である。レーニンはこれらの方策を「革命的民主主義国家」が実施するのは社会主義への一歩だとした。10月執筆したボリシェヴィキ国家権力維持できるか?」は、大銀行を「社会主義実現するためにわれわれに必要で、しかも、われわれが資本主義からできあがった形で引きつぐ『国家機関』」と位置づけた。 十月革命後11月16日臨時労農政府は「労働者統制令」を公布した12月5日には「最高国経済会議設置に関する法令」を公布し、最高国経済会議が労働者統制の活動指導することを規定した革命一周年演説で、レーニンは労働者統制について次のように回想した。 われわれの最初スローガンは労働者統制であった。われわれは言ったケレンスキー政府おこなったいっさい約束にもかかわらず資本は引きつづき国の生産サボタージュしており、生産をますます破壊している。われわれは、いまや解体せまっていること、およそ社会主義政府労働者政府第一にとらなければならない基本的な方策は労働者統制でなければならないことを、知っている、と。われわれは、わが国工業全体わたっていきなり社会主義布告するようなことはしなかった。というのは、労働者管理まなびとり、労働者大衆権威確立されときにはじめて、社会主義は形づくられ、確立されうるからである。〔……〕われわれは、これまで成しとげられたものがわずかであることを知っている労働者階級こんなにも多く障害とかせに妨げられているもっともおくれた零落した国で、工業管理まなびとるためには、労働者階級長い期間を必要とするということを、われわれは知っている労働者がみずからこの管理取りかかったということすべてのもっとも重要な工業部門かならずや混沌とした細分された、手工業的な、不完全なものたらざるをえない労働者統制からすすんで、われわれが全国民的な規模での工業にたいする労働者管理に近づいたということを、われわれはもっとも重要な貴重なことであると考える。

※この「労働者統制」の解説は、「四月テーゼ」の解説の一部です。
「労働者統制」を含む「四月テーゼ」の記事については、「四月テーゼ」の概要を参照ください。

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