副砲およびその他備砲、雷装について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 02:35 UTC 版)
「ドイッチュラント級装甲艦」の記事における「副砲およびその他備砲、雷装について」の解説
本級に副砲を採用したのは、要求仕様の段階で海防戦艦的な設計が行われた名残であった。本級の副砲には新設計の「SK C/28 1928年型 15cm(55口径)速射砲」を採用した。この砲は後に戦艦「シャルンホルスト級」や「ビスマルク級」の副砲にも使用された息の長い砲となった。 その性能は45.3kgの砲弾を初速875m/秒で仰角35度で22,000mまで届かせるものであった。搭載形式は前弩級戦艦のように砲塔方式にすると1万トン程度の小型の船体としては重量を食うので、単装砲架に防盾を取り付けることにして軽量化に貢献している。砲身の俯仰は仰角35度・俯角10度で、砲身の旋回と俯仰は電動と人力で行われ、障害物がなければ360度旋回できたが実際は艦上構造物に射界を阻まれた。発射速度は毎分6~8発だった。 他に対空用として「SK C/31 1931年型 8.8cm(78口径)高角砲」を採用した。その性能は9kgの砲弾を仰角45度で17,800mまで、最大仰角80度で最大射高13,300mまで到達させた。砲架の旋回と俯仰は電動と人力で行われ、砲架の旋回角度は舷側方向を0度として左右方向に80度旋回でき、俯仰は仰角80度・俯角10度であった。発射速度は毎分15~20発だった。これを連装砲架で副砲よりも高所に位置する上部構造物の中央部に片舷1基ずつ、2番主砲塔の背後に1基の計3基装備したが、後に能力不足であるとして口径を大型化した「SK C/33 1933年型 10.5cm(65口径)高角砲」へと更新された。この砲は15.1kgの砲弾を仰角45度で17,700 m、最大仰角80度で12,500mの高度まで到達させた。旋回と俯仰は電動と人力で行われ、俯仰は仰角80度、俯角8度であった。発射速度は毎分15~18発だった。搭載数と装備位置は以前と変わらなかった。 また、近接対空火器としてSK C/30 1930年型 3.7cm(83口径)速射砲を採用した。その性能は0.742kgの砲弾を仰角45度で8,500mまで、最大仰角85度で最大射高6,800mまで到達させた。砲架の旋回と俯仰は電動と人力で行われ、砲架の旋回角度は障害物が無ければ360度旋回できたが実際は艦上構造物に射界を阻まれた。砲架の俯仰は仰角85度・俯角10度であった。発射速度は毎分30発だった。これを連装砲架で4基搭載した。他に主砲を持ってしても相手にならない戦艦と戦うときの備えとして水雷兵装を53.3cm魚雷を四連装魚雷発射管に収めて、艦尾側に片舷1基ずつの並列配置で計2基を配置した。後に装甲カバーが追加された。
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