前原誠司代表時代
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9月2日、前原は都内のホテルで、代表選で自陣営の選対本部長を務めた大島敦、側近の小川淳也らとともに党執行部人事の検討に着手。幹事長に山尾志桜里を抜擢する方針を固めた。ところが、山尾の手腕への疑問や政治経験の不足から党内で異論があがり、さらに9月4日、「週刊誌が山尾と弁護士の倉持麟太郎との交際疑惑を取材している」との情報がもたらされ、前原は山尾幹事長起用を撤回した。 9月5日、両院議員総会において執行部の役員人事が承認された。幹事長は大島敦に差し替えられた。 代表代行:枝野幸男 幹事長:大島敦 政調会長:階猛 選対委員長:長妻昭 国対委員長:松野頼久 役員室長:小川淳也 常任顧問:岡田克也 9月7日、山尾と倉持の交際疑惑を報じた「週刊文春」が発売され、同日、山尾は離党届を提出した。前原新執行部は出端をくじかれる結果となった。山尾の離党に前後し、複数の議員が離党を模索する動きが報じられていることについて、前原は「蓮舫前代表の時から離党する、離党すると言っていた人がいた。皆それにおびえている。異常な政党だ」と危機感を露わにした。 前原代表就任以来、前述のようにいわゆる「離党予備軍」と呼ばれる所属議員(特に共産党との連携に消極的な保守系議員)に対し、説得するなど慰留に徹していたものの、離党ドミノに歯止めがかからず、9月13日には鈴木義弘衆議院議員(比例北関東)が、 15日には神奈川県選出の衆院議員の笠浩史(9区)・後藤祐一(16区)が、それぞれ離党届を提出。なお離党した鈴木・笠・後藤の3人は、8月に離党した細野豪志元環境相が結成したグループ「自誓会」のメンバーだった。19日、常任委員会において鈴木・笠・後藤の3名の除籍を決定した。さらに9月25日には、松原仁元国家公安委員会委員長も離党届を提出した(後に松原も除籍処分)。これにより、前述の山尾も含め、前原執行部発足からわずか半月で5人の所属議員を失う形となった。細野ら離党・除籍となったメンバーは後日、小池百合子東京都知事が率いる国政新党「希望の党」の結党メンバーとなる。 離党の動きは衆議院選挙候補者にも広がり栃木県第1区から立候補予定の元職柏倉祐司が9月20日に離党届を提出(同日、県連は受理せず除籍処分)。9月25日には、東京都第19区候補の元職末松義規と、兵庫県第7区から出馬予定の元職畠中光成がそれぞれ離党届を提出した。また、同日埼玉県第9区の候補も離党届を提出した。翌26日には、神奈川県第3区から出馬する予定だった元職の勝又恒一郎以外に、神奈川10区・13区、静岡2区・4区から立候補する予定だった新人候補が離党届を提出した。 なお、前原代表はこの動きに対し、次期衆議院議員選挙において離党した議員の選挙区に民進党公認の対立候補(いわゆる「刺客候補」)を立てることも辞さないことを発言したが、党勢低迷を受けて25日には幹事長の大島が「新しい政治状況が生まれたとすれば、もう一度私たちも考えていきたい」と述べ、軌道修正する可能性を示唆した。
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