前古典期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 14:10 UTC 版)
詳細は「アルカイック期」を参照 左、黒像様式陶器。右、赤像様式陶器 前8世紀以降、神殿を中心とした大規模な建築物が再び建設されるようになり、いわゆるポリス(都市国家)が形成されてゆく。そしてそのポリスを中心にして、地中海や黒海へ植民を行ったことからこの時代を植民時代と呼ぶこともある。この植民活動はポリスにおける党派争いから破れた人々が行ったことなどもあり、まだまだ揺籃期にあったポリスにおいて混乱を避けるための安全弁的な意味もあった。また、有力な市民が独裁者となる僭主政なども発生し、これの代表者としてはコリントスのキュプセロスやアテナイのペイシストラトスなどが挙げられる。 また、この時代は植民活動の始まった時代でもあった。植民活動の初期は金属資源を求めるなど交易を求めての活動であったが、徐々に各地にポリスを形成して行きシチリア、南イタリア、アフリカ北岸、黒海沿岸などへ植民市を形成して行った。この植民活動によりギリシア人は地中海全域に渡り交易活動を活発に行うようになり、各地にそれぞれのポリスを築いてゆき、それぞれの活動を行うが、文化面では共通のものを育んでいった。それは共通の神々を崇め、そしてホメロスの叙事詩を愛することでギリシア人であることをアイデンティティとして形成していたからであった。このアイデンティティはヘシオドス作の『仕事と日』や『神統記』にてギリシア人精神の覚醒が描かれ、さらにアルキロコス、サッフォー、テオグニス、ピンダロス、ピュタゴラスやクセノファネス、タレース、などが活躍した。さらにオリエントの影響を受けていた美術では厳格様式と呼ばれる様式が確立し、アテナイでは黒像様式や赤像式と呼ばれる陶器の生産も始まった。また、この植民活動の盛んな時代、都市国家の建設があると法律の成文化が進められるようになった。このように文化的にも政治的にもギリシアが大いに発展した時代でもあった。
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