独裁者となる
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/06/25 04:15 UTC 版)
「ディック・ウィルソン (オグララ族)」の記事における「独裁者となる」の解説
ウィルソンの主な支持者はパインリッジの町民だったが、町の外にいる「伝統派」はウィルソンに批判的だった。彼は混血をひいきし、失業率が過半数である保留地の中で、自分の親戚縁者に部族内の主要な役職を与え、重用した。連邦政府に保留地内の部族の土地323㎢を国立公園用地として明け渡し、政治資金の援助を受けた。アメリカの極右集団ジョン・バーチ協会の思想を喧伝し、同協会のプロパガンダ映画を上映した。また、私設の暴力団を組織し、ウィルソンに反対する部族民の家に放火させ、銃弾を浴びせて脅迫し、殺した。先述のエレン・ムーブス・キャンプは次のように語っている。 「部族警察は彼の言いなりでした。BIA警察も全く黙認していました。ウィルソンの暴力団はウィルソンを少しでも批判する者を探し出しては、脅迫や暴行を加え、家に放火しました。連邦政府がなぜこんな暴力団を容認するのか理解できませんでした。私たちは自衛のため武装し始めましたが、こんなことは前代未聞でした。」 こうして、全米最貧困地帯であるパインリッジ・インディアン保留地は、部族会議と部族民の間での市民戦争、内戦状態となった。 1972年11月初旬、エレン・ムーブス・キャンプら4人のスー族女性がウィルソン弾劾運動を組織し、ちょうどワシントンへの「破られた条約の旅行進」とBIA本部ビルの占拠抗議を決行していたインディアン権利団体「アメリカインディアン運動」(AIM)に助けを求めた。AIMもこれを快諾、オグララ族と連携を取ることとなった。
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