制服・携帯品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 00:42 UTC 版)
制服はオーダーメイドで、入会が認められた会員は池袋の西武百貨店の高級オーダー紳士服売場で各々採寸され、大学初任給とほぼ同額か、それ以上の金額の制服が支給された。採寸中に三島が現われ、「お前たちの死に装束ができあがったなあ。これで命は貰ったぞ、わーはっは」と哄笑したという。 制服のデザインは、ド・ゴールの制服を製作した五十嵐九十九によるものだが、襟の色などの細かい指定や徽章のデザインは三島がしている。 制服の上着とズボンの色はカラシ色の上質羅紗生地で、襟と袖口は緑色の当て布、胸の左右に6個ずつ計12個の金釦、緑色の袖当てにも左右3個ずつ金釦があり、サイドベンツに赤色の組紐が施してある。ズボンには緑色のストライプがある。 ベルトは真鍮製のバックルに白の合成皮革。白手袋を着用する。軍用剣そっくりのアルミ製の飾り短剣を腰に提げていたが、すぐに折れてしまうため、その後に特殊警棒となった。 制帽の形は自衛隊と同形で、色は制服同様のカラシ色である。金色の徽章は兜をモチーフにデザインされたもので、これが楯の会の紋章となる。白い隊旗にもこの徽章が赤く染められ、制服の金釦のデザインにも使われている。 夏服は上下とも純白で、ズボンには金のストライプが2本入っている。制帽も純白で、金色の徽章となる。この夏服は、1970年(昭和45年)5月に行われた東大全共闘と三島の討論会を収録した本の印税(全共闘と折半)で誂えた。 会員には、徽章と「楯の會隊員手帳」と記された縦・11.5×横・6.9センチの黒のビニール表紙の手帳が配布された。 1頁目は、名前・生年月日・住所・学校名(勤務先)を書く「身分証明書」。2頁目は「三島由紀夫の角印」。3頁目は、軍人精神の涵養、軍事知識の練磨、軍事技術の体得を掲げた「三原則」。4頁目は「特殊警棒所持規定」。5頁目は「楯の会被服貸与規定」。6 頁目は「楯の会規約草案」。7頁目は隊歌(「起て! 若き紅の獅子たち」)の歌詞が印刷されている。それ以降は白紙のメモ帳が別丁で付いている。
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