再発防止策の検討
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 09:14 UTC 版)
「としまえんの水上設置遊具による溺水事故」の記事における「再発防止策の検討」の解説
本事故の再発防止策について、報告書においては、遊具の底面を凸にし、遊具の下に入ってしまっても自然に浮き上がって呼吸ができるような仕組みを導入したり、ライフジャケットの着用を中止してより浅い場所に遊具を設置するようにしたりすることが有効であるとされた。落水防止・遊具下への進入防止用のガードを設置することも有効であるが、水中に落下した場合にガードに絡まって浮きあがれなくなってしまう可能性もあり、安全性については検証が必要であるとされた。この他、落とし合う行為や水中の覗き込みの禁止、万一の落水時の遊具からの距離確保の徹底、監視体制の見直しやドローン・監視カメラ等の活用、身長・年齢・人数制限の見直し、事前の落水・浮上訓練、マニュアルの標準化、ライフジャケットの品質管理の徹底、浮島の広範囲への敷設の中止等の事故対策を当面は優先し、水中に落下するスリルを求めるべきではないとされた。また、危険性についての掲示や遊具自体への表示、安全指導体制の構築も重要とされた。 事故直後の段階でも、日本プール安全管理振興協会理事長の北條龍治が、遊具下への網やフェンスの設置、遊具を透明にして溺れている人を発見しやすくすることなどの対策を提案していた。また、安全工学を専門とする東京工業大学准教授の西田佳史は、光が水面で反射することで監視が行き届きにくくなることを指摘した。Safe Kids Japan理事長の山中も、「ふわふわウォーターランド」の「ふわふわ」という表現が、負傷事故が多発している現状と乖離していることを指摘し、このような表現は避けるように申し合わせるべきだと指摘した。日本エア遊具安全普及協会代表理事の栗橋寿は、継続して定期的な安全講習を実施すること、エア遊具の保安を行う人材の育成、水上活動における安全を目的に活動している団体との連携が必要であると指摘した。栗橋は、水上のエア遊具のリスクとして、遊具の下に入ってしまうリスク以外に、遊具上での衝突・転倒、落水時の溺水、飛込時の他人との激突のリスクがあると指摘し、海上のエア遊具ではこれらに加えて潮流に流される危険もあることを指摘した。
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