六地蔵駅 (京阪)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/17 03:50 UTC 版)
六地蔵駅 | |
---|---|
![]()
全景(2007年10月)
|
|
ろくじぞう Rokujizo |
|
◄KH72 桃山南口 (0.8 km)
(0.8 km) 木幡 KH74►
|
|
右はJRと京都市営地下鉄の六地蔵駅 | |
所在地 | 京都市伏見区桃山町中島町2番地 |
駅番号 | KH 73 |
所属事業者 | 京阪電気鉄道 |
所属路線 | ■宇治線 |
キロ程 | 3.1 km(中書島起点) |
電報略号 | 六(駅名略称方式) |
駅構造 | 地上駅(盛土上) |
ホーム | 2面2線 |
乗降人員 -統計年度- |
7,537人/日 -2023年- |
開業年月日 | 1913年(大正2年)6月1日[1][2] |
乗換 | JR奈良線・京都市営地下鉄東西線(六地蔵駅) |
六地蔵駅(ろくじぞうえき)は、京都府京都市伏見区桃山町中島町にある京阪電気鉄道宇治線の駅である。駅番号はKH73。
概要
山科川を挟んで西側の京都市伏見区に所在している(元々は山科川東岸の一部も六地蔵村であったが1889年(明治22年)の町村制施行に伴い分割されているが、以降も一帯の地名(または通称)として用いられる[注 1])。
乗車カードは「PiTaPa」と「スルッとKANSAI」の利用エリアに含まれている(相互利用可能のICカードはそれぞれの項目を参照)。
歴史
京阪宇治線開業時から1960年代中期までの約50年間は、1917年(大正6年)の「大正大洪水」・1934年(昭和9年)の室戸台風・1935年(昭和10年)の2度の京都水害、1953年(昭和28年)の台風13号、1961年(昭和36年)の第2室戸台風、1965年(昭和40年)の台風24号で駅周辺が浸水するなど水害が頻発していたが[3]、1953年(昭和28年)の台風13号の被災を受けての河川改修計画『淀川水系改修基本計画』で天ヶ瀬ダムの築造や小栗栖ポンプ場・山科川に堤防が築かれ六地蔵駅も堤防上に移設された結果、水害の恐れはほぼなくなった。また山科川の堤防完成に前後して、外環状線の開通、醍醐石田団地、小栗栖団地が造成されるなど駅周辺の宅地化が本格化し、京阪では列車増発のため、六地蔵駅の南東側に変電所が設置された。
1926年(大正15年)7月14日には大阪から大津への短絡ルートとして六地蔵線(堀内村六地蔵 - 醍醐 - 滋賀県石山村 12.5 km)が京阪の手で出願され、翌1927年(昭和2年)10月28日特許されるが、1937年(昭和12年)2月26日付けで「六地蔵線起業の廃止」が許可されている[4]。当時の計画では六地蔵駅を西側へ移設、奈良街道沿いに北上し、現在名神高速道路となっている旧東海道線跡を使い大津へ達する計画だった。線路敷設予定地の一部が「新奈良街道(伏見区石田合場橋-伏見・山科両区の区境付近)」として利用され、新京阪山科線と接続予定であった山科駅の予定地が京阪バス山科営業所(山科区大宅)となっている[5]。
年表
- 1913年(大正2年)6月1日:宇治線の中書島駅 - 宇治駅開業と同時に[6]、駅開業[1][2]。
- 1917年(大正6年)9月26日 - 10月1日:「大正大洪水」により周辺が浸水する[7]。
- 1934年(昭和9年)9月21日:室戸台風で被災停電。同月27日までに復旧[8]。
- 1935年(昭和10年)
- 1943年(昭和18年)10月1日:阪神急行電鉄との合併に伴い、京阪神急行電鉄(現在の阪急電鉄)が設立[6]。同社の駅となる。
- 1949年(昭和24年)12月1日: 京阪神急行電鉄からの分離に伴い、京阪電気鉄道が設立[6]。同社の駅となる。
- 1951年(昭和26年)7月:梅雨前線の影響で11日から16日にかけての豪雨で山科川が氾濫し、駅と周辺が浸水する[9][注 2]。
- 1953年(昭和28年)9月25日:台風13号で宇治川から逆流した水で山科川が氾濫し、駅と周辺が浸水する。10月1日に仮復旧し運行を再開する[10]。
- 1959年(昭和34年)8月13日:前線性の豪雨で山科川が破堤、駅と周辺が浸水する[11][12]。
- 1961年(昭和36年)9月16日:第2室戸台風により駅と周辺が浸水する。
- 1965年(昭和40年)9月17日:台風24号により山科川が氾濫、駅と周辺に避難勧告が発令され周辺家屋400軒以上浸水する[12][13]。
- 1966年(昭和41年)3月:山科川堤防嵩上げ工事および橋梁架け替えに伴い、6日に中書島行きホームを、20日に宇治行きホームを堤防上にそれぞれ移設する[14]。旧駅跡はバスターミナルの用地となり、後に整備された。
- 2015年(平成27年)7月1日:京都市が京阪駅前を「放置自転車の撤去強化区域」に指定[15]。
駅構造
山科川堤防の盛土に造られた相対式ホーム2面2線[16]を持つ地上駅で[1]、有効長はそれぞれ5両編成分である[1]。ホームはカーブした線形の途中に設置されている[1]。1階には改札が1箇所、2階には方面別のホームがあり、中書島行きホームのみ待合室が設置されている[1]。改札階とホーム階の間は階段のほか車椅子対応のエレベーターが設置されていて、改札階のトイレにはオストメイト対応の多目的トイレが設置されるなどバリアフリー対応がなされている[17]。
駅前にバスターミナルがあり、京阪バス(山科駅・三条京阪・日野方面など)、京都京阪バス(御蔵山方面)の各路線が乗り入れている。また、タクシー乗り場も併設している。
かつては地平にホームがあったが、山科川の堤防が築造されたさいに線路を移動したため盛土上に移築された。なお、地平ホーム時代の旧線跡が駅の東側200 m先の現線路脇に残っている。
1998年から翌年にかけて、京阪本線直通の季節列車として運転されていた「宇治快速」の停車駅でもあった。
のりば
番線 | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | ■宇治線 | 上り | 中書島方面[18] |
2 | 下り | 宇治方面[18] |
-
ホーム(右が中書島方面)
利用状況
利用者数の推移は下記の通り[19]。
年度 | 乗車人員 | 乗降人員 |
---|---|---|
1999年 | 5,486 | |
2000年 | 5,373 | |
2001年 | 5,263 | |
2002年 | 4,907 | |
2003年 | 4,770 | |
2004年 | 4,603 | |
2005年 | 4,616 | |
2006年 | 4,578 | |
2007年 | 4,536 | 9,268 |
2008年 | 4,521 | 8,885 |
2009年 | 4,540 | 9,471 |
2010年 | 4,458 | 9,195 |
2011年 | 4,503 | 9,493 |
2012年 | 4,685 | 8,191 |
2013年 | 4,605 | 9,263 |
2014年 | 4,904 | 9,697 |
2015年 | 5,087 | 10,352 |
2016年 | 4,066 | 8,468 |
2017年 | 4,047 | 8,353 |
2018年 | 4,249 | 8,770 |
2019年 | 4,158 | 8,489 |
2020年 | 3,019 | 6,252 |
2021年 | 3,140 | 6,386 |
2022年 | 3,384 | 6,888 |
2023年 | 3,467 | 7,537 |
駅周辺
バス路線
付近を走る京阪バスは、京阪六地蔵駅をターミナル(バス停の名称は「京阪六地蔵」)としており、三条京阪・四条河原町・京都駅八条口・山科駅・醍醐駅・御蔵山・東御蔵山などへのバスが発着する。2024年3月末までは京都京阪バスも発着していたが、撤退した。
- 1番のりば
- 11号経路:御蔵山循環(西住宅止まり含む)
- 12号経路:東御蔵山循環右回り
- 13号経路:東御蔵山循環左回り
- 18号経路:東御蔵山
- 2番のりば
- 22号経路:山科駅
- 22A号経路:山科駅(経由地が異なる)
- 3番のりば
- 3号経路:醍醐バスターミナル
隣の駅
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f 川島 2009, p. 66.
- ^ a b 寺田 2013, p. 277.
- ^ “洪水の記録”. 淀川河川事務所. 2016年7月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年7月13日閲覧。
- ^ 若林正博「京阪六地蔵線、新京阪山科線と名古屋急行-行政文書から探る昭和初期の鉄道計画-」『京都府立総合資料館紀要』43号、2015年。[要ページ番号]
- ^ 「夢幻軌道を歩く⑤『京阪六地蔵線』」『京都新聞』京都新聞社、2016年8月25日、朝刊、22面。
- ^ a b c 寺田 2013, p. 275.
- ^ 京阪電気鉄道 2011, p. 84.
- ^ a b c 京阪電気鉄道 2011, pp. 165-166.
- ^ 植村 2011, p. 53.
- ^ 『鉄道ピクトリアル』1984年1月増刊号、電気車研究会、124頁。
- ^ 植村 2011, p. 口絵5.
- ^ a b 植村 2011, p. 100.
- ^ 植村 2011, p. 94.
- ^ 「1-6.宇治線 六地蔵付近の付け替え」『京阪電気鉄道』関西鉄道研究会〈車両発達史シリーズ〉、1992年2月1日、179頁。ISBN 4-906399-01-0。
- ^ 「放置自転車撤去拡大」『京都新聞』京都新聞社、2015年6月10日、朝刊、1面。
- ^ 川島 2009, p. 7.
- ^ “六地蔵駅構内図” (PDF). 京阪電気鉄道. 2013年2月11日閲覧。
- ^ a b “六地蔵駅|駅構内図”. 京阪電気鉄道. 2022年9月19日閲覧。
- ^ 京阪電気鉄道の乗車人員は京都府統計書 第10章 運輸・情報通信・観光 10-1.鉄道乗車人員、京阪電気鉄道の乗降人員は京都市統計書 第8章 都市施設 07 私鉄市内駅乗降客数(JRを除く)と移動等円滑化取組報告書による。
参考文献
- 川島令三『【図説】日本の鉄道 東海道ライン 全線・全駅・全配線 第6巻 米原駅 - 大阪エリア』講談社、2009年8月20日。 ISBN 978-4-06-270016-0。
- 植村善博『京都の治水と昭和大水害』文理閣、2011年4月。
- 京阪電気鉄道経営統括室経営政策担当 編『京阪百年のあゆみ』京阪電気鉄道、2011年3月24日。
- 寺田裕一『改訂新版 データブック日本の私鉄』ネコ・パブリッシング、2013年1月19日。 ISBN 978-4-7770-1336-4。
- 『都市鉄道完全ガイド 関西JR編 2021-2022年版』双葉社、2021年6月22日。 ISBN 978-4-575-45881-7。
関連項目
外部リンク
- 六地蔵駅 - 京阪電気鉄道
- おけいはん.ねっと|駅情報局:六地蔵駅
- 六地蔵駅_(京阪)のページへのリンク