全面的集団化と富農絶滅政策とは? わかりやすく解説

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全面的集団化と富農(クラーク)絶滅政策

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 14:54 UTC 版)

ソビエト連邦における農業集団化」の記事における「全面的集団化と富農クラーク絶滅政策」の解説

クラーク撲滅運動」も参照 1927年穀物調達難に対する非常措置として、1928年1月6日党中央委員会指令受けて党幹部らは各地視察し穀物調達促進した。これは1918年食料独裁令同様の農民穀物供出させる方式で、共産党はこの穀物供出にあたって軍事的命令形式命じるようにし、不履行場合威嚇用いたスターリンはみずからシベリアにいって直接これを実施した現地スターリン穀物の調達難原因を「クラーク富農)」という「階級上の敵」による売り惜しみにあると決めつけ、逮捕したり、市場の閉鎖現地指導部頻繁な更迭などが行われるようになった。こうして、1919年割り当て徴発制度のような農村共同体連帯責任重視した徴収方式、「ウラル・シベリア方式」が用いられるようになった。しかし、農民政府への不信感強め播種面積縮小しはじめた1928年7月ブハーリンらは非常措置即時撤廃求めスターリン対立した1929年以降は、ウラル=シベリア方式という、農村共同体決定尊重して穀物調達集団化の促進はかられた。これは1928年の非常措置不評であったからで、上からの強制ではなく自発的なものとい体裁強調したものであった。しかし、実際には、農村に「全権代表」が派遣され集会意思決定威嚇にもとづく強制的なのだった1929年6月18日ロシア共和国法令ではウラル=シベリア方式穀物調達位置づけられ、また農業集団化方式としても採用されぐるみの集団化が促進された。こうした全面的集団化」が1929年以降各地展開した。 しかし、「全面的集団化」方式において、クラーク処遇問題となったクラーク集団農場入れれば、かれらは経営能力読み書き能力など農場牛耳ることが危惧された。他方クラークコルホーズ加入させないなら、コルホーズ近く豊かな個人経営農場存在することになるおそれがあるこうした危惧に対してスターリン1929年11月7日論文偉大な転換の年」と続く総会において、全農民はいまやコルホーズ入りつつあると全面的集団化を確認するとともに穀物の調達難原因であるクラークは「最悪の敵」であり、彼らをコルホーズ入れることはできないとした。さらに、スターリン1929年12月27日演説で、農業集団化加速させるために「富農クラーク)をひとつの階級として絶滅する」と宣言した。 こうして、スターリン政権は、農民生産意欲減退させることを避けるために、集団農場コルホーズ設営し農民をそこへ編入させる政策実行していった。 1930年1月5日党中央委員会では、ヴォルガ下流中流北カフカースなどの穀倉地帯での集団化を1930年秋まで、それ以外地帯では1931年秋までに集団化を完了することが求められた。 1930年1月30日政治局は、クラーク処遇次のように決定した。 1)反革命活動従事したクラーク強制収容所に送る、または死刑 2)それほどではないが反抗的なクラーク極北シベリアに送る 3)ソヴィエト権力従順なクラーク地区追放

※この「全面的集団化と富農(クラーク)絶滅政策」の解説は、「ソビエト連邦における農業集団化」の解説の一部です。
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