停刊事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/01 20:14 UTC 版)
中でも特別稿574期「現代化と歴史教科書」(2006年1月11日中山大学袁偉時教授)が多くの反響を呼んだ。「現在中国国内で子供たちの使っている歴史教科書について、その内容を見ていまだに"狼の乳を飲んで育っている"事に驚愕した…」という冒頭の書き出しから始って、円明園事件について「清朝の愛国英雄談ではなく、英仏軍再来による莫大な賠償金請求と北京占拠を招いた清朝皇帝の愚昧な大罪である」と指摘。義和団の乱について「8ヶ国連合軍の侵略に抵抗した愛国行動ではなく、北京周辺での殺人、放火、略奪の限りを尽くした非人道的・非文明的集団」「義和団事件は排外思想があり、ある意味、中国の進歩を遅らせ、むやみに外国人を殺した」と指摘。「現在の歴史教科はあまりにも盲目的な愛国心教育である。日本では一部の歴史教科書に矛盾のある記述が有るが、一方のわが国教科書は…」という内容。対日デモが盛んに行われている折の掲載であった為、休刊命令が出るきっかけとなった。 「狼の乳を飲んで育つ」は1979年5月に北京で開催された第一回全国五四運動学術討論会で中国共産党鄧力群中央宣伝部長が張志新の悲しい境遇について講演しその中で「同士、我々は狼の乳を飲んで育ったのだ」と叫んだ事に由来する。「現代中国の3大災難(右派弾圧、大躍進政策、文化大革命)という人々の悲しみの原因が何であったか、ということを20年前に悟ったのに、いまだに“狼の乳を飲んで育っている”事に驚愕」という内容。 当特別稿は、その冒頭でも触れられているが、「歴史の真実を後代の青少年に伝える義務があるという」信念の元に、現代中国の教科書で愛国的英雄として称えているいくつかの近代史についての考察を公開した。なお、歴史的に周辺地域の住居を焼き払い物資を奪う行為は、近代以前の戦闘では当然行う手段でもあった。
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