個人情報とセキュリティ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 13:43 UTC 版)
「WhatsApp」の記事における「個人情報とセキュリティ」の解説
WhatsAppによる個人情報の扱いについて共同調査を行ったカナダとオランダの規制当局は、2013年1月28日にWhatsAppはプライバシー関連法に抵触するという見解を示し、非WhatsAppユーザーを含むアドレス帳全ての電話番号を収集・維持していることと、送信されるメッセージが暗号化されていなかったことを問題点として挙げた。後者については2012年9月に暗号化に対応して改善されたが、両当局は同社の対応にまだ満足していないとしている。 2013年9月17日、セキュリティ対策ソフトの開発・販売を手がけるトレンドマイクロ社は、「WhatsApp」の新たな音声メッセージが届いたことを知らせる通知を装ったスパムメールをPCやスマートフォン上で確認したと同社ブログで発表した。音声メッセージの再生に偽装した「Play」と表示される入り口からユーザーを不正なWebサイトへ誘導させて不正なプログラムをダウンロードさせる手口が使われているとしている。またトレンドマイクロはこのスパムメールについて、PCよりAndroidなどのモバイル端末を標的にした脅威であるという見解を示している。 2013年12月26日、セキュリティ関連のソフトを手がけるマカフィー社は、Google Playで公開されていた人気ゲームアプリに「WhatsApp」のテキストメッセージと写真をユーザーに無断で抜き取るトロイの木馬が組み込まれていたとする内容をブログで公開した。圧倒的に利用者の多いWhatsAppの暗号の脆弱性に付け入ってトロイの木馬を使った攻撃の対象にされたとしている。 2014年、イランはインターネットを厳しく検閲する動きのなかで、米フェイスブックのCEOであるマーク・ザッカーバーグを、WhatsAppおよびインスタグラムにおけるプライバシーを侵害しているとの訴えを問題にして、法廷に召喚した。米国とイランの間には犯罪人引渡し条約は結ばれておらず、召還は実現しなかった。2015年、イラン政府は「非イスラム的な情報媒体である」としてWhatsAppとLINEへのアクセスを禁じた。実はロウハーニー大統領自身はWhatsApp、フェイスブック、ツイッターなどのアカウントを持っており実際に使っていた。同氏はイラン国民にネット使用の自由をもたらしたい立場であったため使用継続を指示していたが、結局イラン政府が好ましくないメディアであるとして禁止に至った。 2016年、セキュリティ対策強化の一環として、画像も含めエンドツーエンドの全てのやり取りの暗号化を完了したと発表した。これにより、WhatsAppのサーバーにやりとりされているコンテンツがプレーンテキストで保存されなくなったことを意味する。WhatsApp側が暗号化キーを保有してないため、ユーザーのメッセージを解読してアクセスすることはありえない。また、仮にアクセスへの令状が出ても、政府に要求されても、WhatsAppはメッセージデータを開示することは不能である。
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