使用されているアドレス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 14:26 UTC 版)
IPv6を利用していて通常目にするアドレスは、グローバルユニキャストアドレスかリンクローカルユニキャストアドレスである。IPv6のアドレス空間については、#IPv6アドレス空間参照。 グローバルユニキャストアドレス ルータを超えて、インターネット上で通信可能なアドレスで、グローバルアドレスとも呼ばれる。IPv4におけるグローバルIPアドレスに相当する。IANAが割り振りを管理しており、RIR単位での割り振りは、IPv6 Global Unicast Address Assignmentsで公開されている。現在は、 RFC 3587 により、アドレスの先頭3bitが001であるアドレスのみIANAが割り振りを行っている。 128ビットの内訳 長さ説明nビット グローバルID(グローバル・ルーティング・プレフィックス) 64-nビット サブネットID 64ビット インターフェイスID (グローバル・ルーティング・プレフィックスは、IANA、RIRおよびNIRからISPなどのLIRに割り振られたものの中から、ISPなどのLIRがエンドユーザに割り当てられたものを使用する。) このうち、特定の用途に使用されているものとしては、以下のものがある。 アドレス説明2001::/32 Teredo (RFC 4380) 2001:2::/48 BMWG (RFC 5180) ※ルータでは中継されない 2001:10::/28 ORCHID (RFC 4843) ※ルータでは中継されない 2002::/16 6to4 (RFC 3056) ※Historical (RFC 7526) 2001:db8::/32 文書作成用アドレス空間 (RFC 3849) ※ルータでは中継されない。マニュアルなどの文書中のみで利用するIPアドレス例示用で、実存のアドレスではない事が保証されている。なお、このアドレスを含むネットブロック2001:c00::/23はAPNICに割り当てられている。 リンクローカルユニキャストアドレス (RFC 4291) 各ネットワークインターフェース毎に、初期化時に自動生成し、LANの同一セグメント内でのみ有効なアドレス。IPv6のルータでは中継されないため、インターネット上とのホストとの通信には使用できない。プレフィックスは常に fe80::/64となる。 128ビットの内訳 長さ説明10ビット プレフィックス (1111111010) 54ビット 0固定 64ビット インターフェイスID ユニークローカルユニキャストアドレス (RFC 4193) IPv4におけるプライベートIPアドレスと同様に、ローカルでの使用向けに使われるアドレス。 fd00::/8 アドレスの一部をランダムに生成して使用する。完全な一意性は保証されないものの、異なる組織でアドレスが重複する可能性は低い。 128ビットの内訳 長さ説明7ビット プレフィックス (1111110) 1ビット L(1=局所的な割り当て、0は現在未定義) 40ビット グローバルID(乱数) 16ビット サブネットID 64ビット インターフェイスID (グローバルIDは、各ネットワーク単位で乱数を用いて決定することになっている。国際機関で一意に管理されている値ではないため、ユニークローカルユニキャストアドレスはローカルアドレスであってグローバルアドレスとしては運用できない。) IPv6 アドレス割当のまとめ アドレス割り当てIPv4 の相当する割り当て :: (アドレス未定義を示す) 0.0.0.0 ::1 ループバック 127.0.0.0/8 ::/96 IPv4互換アドレス(廃止) ::ffff:0:0/96 IPv4射影アドレス 64:ff9b::/96 IPv6移行技術 (RFC 6052) 64:ff9b:1::/48 IPv6移行技術 (RFC 8215) 100::/64 Discard-Only Address Block (RFC 6666) 2000::/3 グローバルユニキャストアドレス グローバルアドレス 2001::/23 Protocol Assignments (RFC 2928) 2001::/32 Teredo 2001:1::1/128 Port Control Protocol Anycast (RFC 7723) 2001:1::2/128 Traversal Using Relaysaround NAT Anycast (RFC 8155) 2001:2::/48 Benchmarking (RFC 5180) 2001:3::/32 Automatic Multicast Tunneling (RFC 7450) 2001:4:112::/48 AS112-v6 (RFC 7535) 2001:5::/32 EID Space for LISP (RFC 7954) 2001:10::/28 ORCHID(廃止) 2001:20::/28 ORCHIDv2 (RFC 7343) 2001:db8::/32 文書記述用アドレスプレフィックス 2002::/16 6to4 ※Historical 2620:4f:8000::/48 RFC 7534 3ffe::/16 6bone - IPv6 の実装実験用(廃止) fc00::/7 ユニークローカルユニキャストアドレス プライベートアドレス fc00::/8 集中管理 fd00::/8 ローカル管理 fe80::/10 リンクローカルユニキャストアドレス 169.254.0.0/16 (APIPA) fec0::/10 サイトローカルユニキャストアドレス(廃止) プライベートアドレス ff00::/8 マルチキャストアドレス 224.0.0.0/4 ff01::/16 ノードローカル ff01::1 全ノード ff01::2 全ルーター ff02::/16 リンクローカル ff02::1 全ノード ff02::2 全ルーター ff02::4 DVMRPルーター ff02::5 OSPFIGP ff02::6 OSPFIGP指定ルーター ff02::7 STルーター ff02::8 STホスト ff02::9 RIPルーター 224.0.0.9 (RIPv2) ff02::a EIGRPルーター ff02::b 移動エージェント ff02::c SSDP(英語版) ff02::d 全PIMルーター ff02::e RSVPカプセル化 ff02::1:1 リンク名 ff02::1:2 全DHCPエージェント ff02::1:3 LLMNR(英語版) 224.0.0.252 ff05::/16 サイトローカル ff05::2 全ルーター ff05::1:3 全DHCPサーバー ff05::1:4 全DHCPリレー ff05::1:c SSDP(英語版) 239.255.255.250 ff0e::/16 グローバル ff0e::c SSDP(英語版) アドレス先頭の空白の付加は非推奨であるが、分かりやすさ(或いはソート)のため付けている。 廃止されていても過去の実装では使用している場合がある。 廃止されたまたは表外のアドレス空間についても、ほぼIETFによって予約されているので自由に使用できる訳ではない。
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