体格、身体的特徴のステレオタイプ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/12 22:51 UTC 版)
「アメリカ合衆国における東アジア人のステレオタイプ」の記事における「体格、身体的特徴のステレオタイプ」の解説
ダレル・Y・ハマモトはアメリカ社会にテレビや映画によって作り上げられた差別が浸透していると論じている。批評家たちは、アメリカのメディアは東アジア人の内眼角贅皮のある目を、好意的に「アーモンド型」、悪意的に「つり目」と表現するが、風刺としてマイナスのイメージを持たせていると批判している。さらに東アジア人は黄色または茶色っぽい肌色で描かれることも問題となっている。19世紀後期から20世紀初頭にかけて、北アメリカの白人ヨーロッパ人と有色のアジア系アメリカ人は否定的に比較されていた。東アジア人はストレートの黒髪を持ち、少年は坊ちゃん刈り、少女はおかっぱがステレオタイプとされている。文化、言葉、歴史、生理学上や行動学上でひとくくりにされがちである。東アジア人はほぼ例外なく、中国、日本、韓国のいずれかの出身と見なされる。また西洋に住む東アジア人には見た目を良くするため、そして西洋風に近づけるために整形手術をする者もいる。 文化評論家たちは、東アジア人は皆武術に長け、英語が話せず、運転が下手であるというステレオタイプも存在することを指摘している。また社交性に欠ける、あるいは逆にインドヨーロッパ語族などのように社交性に長けるというステレオタイプも存在する。また従順でおとなしく、知性があり、勤勉で、コンピューターに精通し、自分に厳しく、生産性があり、順法精神があり学力水準が高いとのステレオタイプもある。2010年、アジア系アメリカ人にはナードが多いと見なされる傾向があるという研究結果が出た。このステレオタイプは移民排斥の歴史によりイメージが低下したためとされる。 東アジア人は他の人種に比べて運動能力が低いというステレオタイプがある。これによりアメリカのプロ・スポーツ界において東アジア人は過小評価され、雇用の過程で差別が引き起こされる。2010年、プロのバスケットボール選手であるジェレミー・リンがNBAのドラフトでどのチームも指名しなかったのは人種が一因とされている。これについては『タイム』誌のスポーツ・ライターであるショーン・グレゴリーやNBAコミッショナーのデビッド・スターンなども主張している。2012年のアメリカの人口におけるアジア系アメリカ人の割合は6%であったが、NFLでは2%、MLBでは1.9%、NBAでは1%以下であった。 2人の研究者による心理的実験において、ステレオタイプに当てはまらず、職場で支配的な立場の東アジア人は同僚から歓迎されず、他の人種から否定的反応や嫌がらせを受ける可能性もあるという結果が出た。
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