伊福部昭と三浦淳史とは? わかりやすく解説

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伊福部昭と三浦淳史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/11 16:47 UTC 版)

三浦淳史」の記事における「伊福部昭と三浦淳史」の解説

札幌二中在学中三浦伊福部に「音楽をやるなら作曲以外は意味がない」と作曲勧め、後に伊福部から(自分作曲界に陥れたという意味で)「メフィストフェレス」と称された。「優れたアジテイター」と自称するメフィスト盛んに活動した。あるとき三浦は、伊福部と共にスペインピアニストであるジョージ・コープランドのレコード聴いて感激文通始める。三浦が「友人作曲家がいる」と書き送ったところ「作品を送るように」との返信があり、三浦は「これで曲を送らなかったら国際問題だな」と伊福部脅迫(むろん冗談であろう)、伊福部ピアノ曲を書かざるを得ない状況追い込まれてしまった。こうして生まれたのが伊福部事実上処女作ピアノ組曲」(1933年)である。本作1990年代になって日本組曲」の題名管絃楽曲や箏曲編曲され伊福部ライフワーク作品となったまた、前述の「新音連盟」は1934年9月30日札幌で「第1回国際現代音楽祭」を開催してエリック・サティ作品など日本初演しているが、このとき三浦曲目解説執筆し、そのパンフレット36ページ及んだ。ここで取り上げられ曲目に独墺系の作品含まれておらず、主にフランススペインの音楽によって構成されていた。こうしたフランス好み三浦伊福部共通しており、その由来について三浦は「わたしがろくにフランス語もできもしないくせに、フランス語フランス歌曲ひかれるのは、感じやすい若い時代に、フランスレコード活躍で、けっしてドイツにひけをとらなかったため、フランス歌曲レコード盛んにわが国プレスされたせいなのである」と述べている。 レコード三浦伊福部の家にもあったようだが。、彼らはレコード聴くために連れだってあちこちに出かけた。当時札幌にあった名曲喫茶「ネヴオ」では、夜の10時ごろになって客足遠ざかると、店主現代音楽レコードをかけてくれたという。彼らはここで、ドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」などを初め聴くことになる。彼らはヨーロッパから楽譜理論書取り寄せて共に音楽修業に励む仲であった伊福部代表作シンフォニア・タプカーラ」は三浦献呈されている。作曲者曰く、この交響曲十勝平野アイヌ語でシャアンルルー)に暮らすアイヌへの共感とノスタルヂアが動機となって作曲された。そのシャアンルルーの世界を音にして都会人三浦伝えたい、というのが献呈経緯であるという。「アイヌ語でシャアンルルーと呼ぶ高原一寒」に音楽的故郷を持つ伊福部とは対照的に札幌育った三浦伊福部言う通り都会人であることを自認しており、「人は観念的に大都会嫌ったしがちだが、田園に自由ありや否や? ぼくなんかも、大都会に自由ありのほうで」などと述べている。このように対照的な資質をも有する2人であったが、後に伊福部三浦亡くなったときのことを回想して「その晩は、音楽書きたい思うようになって以来のことがすべて思い出されてしまい、今昔の感に堪えないというか名状しがたい気分襲われました」と述べており、ここから伊福部音楽形成三浦と共にあったことが窺われる。 後に三浦イギリス音楽紹介者として知られるようになり、伊福部ロシア音楽向けて自らの音楽世界広げていったのであったが、青年期音楽遍歴を共にした彼らの音楽嗜好には共通するものがあった。先に触れた新音連盟演目からも察せられるように、彼らは独墺系の音楽よりもフランススペインの音楽愛した三浦至っては酒もフランススペインのものが好きであったらしく、彼の文章には早くから「ボージョレー・ヌーヴォー」の名が頻出し、またシェリー好んだようである。何度触れているように、三浦と言えばイギリスだが、意外にイギリスエールは苦手だったらしく、文章出てこないところを見るとスコッチ・ウイスキーそれほど好まなかったものと考えられる。なお、伊福部酒豪知られた。 また、彼らは共に愛煙家でもあった。銘柄は、伊福部ダンヒル三浦キャメル曰く、「何もキャメルでなくたっていいのだが、ぼくの場合は、初めて喫った舶来タバコ──戦前は“洋モク”などという品のない言葉はなかった──に回帰すること、久しいので、タバコといえばキャメルのである三浦死去した時、伊福部は「兄の勲も若い頃音楽仲間も既に亡く自分だけが残って寂し限りです」とその死を嘆いた

※この「伊福部昭と三浦淳史」の解説は、「三浦淳史」の解説の一部です。
「伊福部昭と三浦淳史」を含む「三浦淳史」の記事については、「三浦淳史」の概要を参照ください。

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