人権規定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/30 17:06 UTC 版)
[マッカーサー草案(GHQ草案)] 第九条 日本国ノ人民ハ何等ノ干渉ヲ受クルコト無ク一切ノ基本的人権ヲ享有スル権利ヲ有ス [日本国憲法] 第十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。 [マッカーサー草案(GHQ草案)] 第十一条 此ノ憲法ニ依リ宣言セラルル自由、権利及機会ハ人民ノ不断ノ監視ニ依リ確保セラルルモノニシテ人民ハ其ノ濫用ヲ防キ常ニ之ヲ共同ノ福祉ノ為ニ行使スル義務ヲ有ス [日本国憲法] 第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。 [マッカーサー草案(GHQ草案)] 第十三条 一切ノ自然人ハ法律上平等ナリ政治的、経済的又ハ社会的関係ニ於テ人種、信条、性別、社会的身分、階級又ハ国籍起源ノ如何ニ依リ如何ナル差別的待遇モ許容又ハ黙認セラルルコト無カルヘシ [日本国憲法] 第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。 [マッカーサー草案(GHQ草案)] 第十四条 人民ハ其ノ政府及皇位ノ終局的決定者ナリ彼等ハ其ノ公務員ヲ選定及罷免スル不可譲ノ権利ヲ有ス 一切ノ公務員ハ全社会ノ奴僕ニシテ如何ナル団体ノ奴僕ニモアラス [日本国憲法] 第十五条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。 2 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。 3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。 4 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。 [マッカーサー草案(GHQ草案)] 第十六条 外国人ハ平等ニ法律ノ保護ヲ受クル権利ヲ有ス 第十六条に直接対応する条文は日本国憲法に存在しない マッカーサー草案(GHQ草案)は、主語に「人民/何人/自然人」という語を用い、また「外国人に対する法の平等な保護」を定める条文を設けていた。日本国憲法では「人民/何人/自然人」は「何人」を除いて「国民」と書き換えられ、「外国人に対する法の平等な保護」を直接訴える条文は無くなっている。たとえば第十三条では「自然人(natural person)」を「国民(person)」に改め、英文の変更を最小限に留めながら、実際には外国人を対象から外すというテクニックを使っている。 第十三条「法律上平等」が第14条「法の下の平等」に改められた。 第十四条「人民」が第15条「国民固有」に改められた。また、天皇に対する法的優位を明記した「其ノ政府及皇位ノ終局的決定者」の部分が無くなった。
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