主砲、その他武装
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/27 13:20 UTC 版)
「インフレキシブル (装甲艦)」の記事における「主砲、その他武装」の解説
この時代のイギリス海軍ではフランス海軍やドイツ海軍で採用していたような後装填式ではなく、戦列艦時代から続く前装填式を採用していた。このために1発撃つごとに大砲を砲塔内に引き込んでから装薬と砲弾と装薬を装填する必要が生じた。この時代の大砲は嵩張る形状をしていたために砲塔の内部に大砲を引き込めば砲塔内スペースは一杯であったため、砲身を目一杯下げ、下から砲弾と装薬を装填する手間となった。 本艦は1門辺り80tのアームストロング製「1874年型 40.6cm:16インチ(18口径)前装填砲(en:RML 16 inch 80 ton gun)」を採用していた。装填機構を砲塔の外側に設置して対処した。装填機構はバーベット外の上甲板直下に置かれた。この設計のおかげで砲塔の直径は10.3m程度に収められた。 砲塔の旋回と砲身の俯角・仰角には水圧動力を用い、仰角10度・俯角5度で装填時のみ俯角9.4度まで砲身を引き下げられた。最大仰角10度で重量763.84kgの砲弾を砲口速度480m/sで発射して最大射程8,000ヤード(約7,300m)程度まで、射程930mで錬鉄580mmを貫通できる性能であった。カタログデータでは2分間に1発のペースで斉射できる設計であった。砲塔1基の重量は750tあり、側面部は230mmと180mmの鉄板をチーク材と交互にサンドイッチしたもので防御されていた。クッションに使われたチーク材の厚みは合計460mmに達した。この砲塔を一周させるために掛かる時間は1分で、水圧ポンプで旋回した。 副砲はアームストロング製「1859年型 20ポンド:9.53cm(22.3口径)ライフル砲(en:RBL 20 pounder Armstrong gun)」を採用した。最大仰角10度で3,400ヤード(約3,100m)程度まで砲弾を届かせることができた。これを単装砲架で片舷4基ずつ計8基を搭載した。 対艦攻撃用に35.6cm魚雷発射管を水上配置で単装2基、水中配置で単装2基を持っていた。水中魚雷発射管は水線下に銃鉄製のシリンダーの両端に水密扉を設けており、片方が閉まっている時でしか魚雷を装填できない工夫がしてあった。魚雷を装填する内部は錆を防ぐために真鍮で塗膜しており、魚雷との摩擦を防いだ。発射時には外の扉が開き、シリンダーを海水で満たしてから圧縮空気を送り込んで魚雷を射出した。 竣工後の1885年近代改装で副砲は「1861年型 10.2cm(-口径)単装砲」を6基に更新され、次いで1897年に「1864年型 12cm(40口径)単装速射砲」へと再更新され6基を搭載し、近接戦闘用にフランスオチキス製の「 5.7cm(40口径)速射砲」を防楯の付いた単装砲架で艦首と艦尾に2基ずつ計4基、ミリタリー・マスト上に「オチキス 1879年型 3.7cm(23口径)機砲」を探照灯を挟むように単装砲架で2基ずつ計4基を搭載した。主砲塔と魚雷発射管は終始そのままであった。
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