両大会での優勝を果たした選手
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 06:34 UTC 版)
「ワールドシリーズとワールド・ベースボール・クラシックの両方で優勝を経験した選手一覧」の記事における「両大会での優勝を果たした選手」の解説
2006年の第1回WBCで決勝戦に進出したのは、日本とキューバの2チームだった。それまで国際大会に参加したことのないようなメジャーリーガーがWBCには数多く出場したが、決勝戦まで勝ち進んだメジャーリーガーは両チームを合わせても、日本のイチローと大塚晶則の2名しかいなかった。ワールドシリーズとWBCの両大会優勝達成者第1号は、イチローでも大塚でもなく、松坂大輔である。当時の松坂は日本プロ野球(NPB)の西武ライオンズに所属していたが、翌2007年にMLBのボストン・レッドソックスへ移籍し、1年目から先発ローテーション入りして同年のワールドシリーズ優勝を経験、WBCとの両大会優勝を成し遂げた。松坂は2009年の第2回WBCにも出場しており、そこで記者から「WBC出場とワールドシリーズ出場を比べてみると?」と訊かれると「どちらもとてもエキサイティングで、独特な意味合いを持つものです」と答えている。第2回WBCで日本は大会連覇を果たしたが、この優勝メンバーではワールドシリーズ優勝も経験したのは松坂しかいない。一方、第1回WBCの優勝メンバーでは、松坂の他に上原浩治も、のちに両大会優勝を達成することになる。 2013年の第3回WBCでは、ドミニカ共和国が初優勝した。同国はメジャーリーガーの一大供給国であり、2012年シーズン開幕時点での同国出身メジャーリーガー数95人はアメリカ合衆国(613人)に次いで2位、同年のワールドシリーズで25人ロースター入りした同国出身者数も9人でアメリカ合衆国(30人)に次ぐ2位タイである。WBC代表のチーム構成をみても、日本はNPB選手が多数派だったのに対して、ドミニカ共和国はほぼ全員がメジャーリーガーまたはMLB傘下マイナーリーグの選手だった。ワールドシリーズ制覇を経験済みでWBC初優勝を目指す選手も、過去2大会の日本にはいなかったが、ドミニカ共和国にはロビンソン・カノをはじめとして3人おり、彼らはそのまま松坂に次ぐ両大会制覇第2・3・4号となった。そのうちサンティアゴ・カシーヤは、ワールドシリーズとその直後のWBCを連続で制した史上初の選手となる。カノは野球人生最大の栄誉は何かと問われて「ワールドシリーズで勝つのも、WBCで勝つのも、あるいはオールスターも、どれも格別な思い出だし、どれも違った感じがした。比べるなんてできないよ」と述べている。 2017年の第4回WBCで優勝したのは、アメリカ合衆国である。この優勝で、新たに5人が両大会優勝の達成者となった。そのうちのひとりであるブランドン・クロフォードは、WBC優勝直後の記者会見でワールドシリーズ優勝との比較を求められると、WBCはオールスター級の選手が集まってチームを組む「もっと楽しいもの」「それはそれですばらしく、絶対に忘れない経験」としつつも、WBCとMLBシーズンの長さの違いに言及して両者を「違うものだよ。まったく違うもの」としている。また、同年のワールドシリーズにヒューストン・アストロズが進出したため、ルーク・グレガーソンとアレックス・ブレグマンはWBCで優勝した年にワールドシリーズの25人ロースター入りする史上初の選手となり、アストロズの優勝でふたりは史上14・15人目の両大会優勝達成者となった。しかも、ふたりがWBC優勝とワールドシリーズ優勝を決めた球場は同じドジャー・スタジアム、というおまけつきだった。 選手守備位置ワールドシリーズワールド・ベースボール・クラシックチーム優勝シリーズチーム優勝大会まつさか たいすけ松坂大輔 投手 ボストン・レッドソックス 2007 日本 2006, 2009 かの ろひんそんロビンソン・カノ 内野手 ニューヨーク・ヤンキース 2009 ドミニカ共和国 2013 かしいや さんていあこサンティアゴ・カシーヤ 投手 サンフランシスコ・ジャイアンツ 2010, 2012, 2014 ドミニカ共和国 2013 とおてる おくたひおオクタビオ・ドーテル 投手 セントルイス・カージナルス 2011 ドミニカ共和国 2013 うえはら こうし上原浩治 投手 ボストン・レッドソックス 2013 日本 2006 へれえら けるひんケルビン・ヘレーラ 投手 カンザスシティ・ロイヤルズ 2015 ドミニカ共和国 2013 ほるけす えていんそんエディンソン・ボルケス 投手 カンザスシティ・ロイヤルズ 2015 ドミニカ共和国 2013 すとろつふ へとろペドロ・ストロップ 投手 シカゴ・カブス 2016 ドミニカ共和国 2013 ろはあとそん てひつとデビッド・ロバートソン 投手 ニューヨーク・ヤンキース 2009 アメリカ合衆国 2017 ほおしい はすたあバスター・ポージー 捕手 サンフランシスコ・ジャイアンツ 2010, 2012, 2014 アメリカ合衆国 2017 くろふおおと ふらんとんブランドン・クロフォード 内野手 サンフランシスコ・ジャイアンツ 2012, 2014 アメリカ合衆国 2017 たふいい たにいダニー・ダフィー 投手 カンザスシティ・ロイヤルズ 2015 アメリカ合衆国 2017 ほすまあ えりつくエリック・ホズマー 内野手 カンザスシティ・ロイヤルズ 2015 アメリカ合衆国 2017 ふれくまん あれつくすアレックス・ブレグマン 内野手 ヒューストン・アストロズ 2017 アメリカ合衆国 2017 くれかあそん るうくルーク・グレガーソン 投手 ヒューストン・アストロズ 2017 アメリカ合衆国 2017 きんすらあ いあんイアン・キンズラー 内野手 ボストン・レッドソックス 2018 アメリカ合衆国 2017 ろとにい ふえるなんとフェルナンド・ロドニー 投手 ワシントン・ナショナルズ 2019 ドミニカ共和国 2013 まきい しえいくジェイク・マギー 投手 ロサンゼルス・ドジャース 2020 アメリカ合衆国 2017 すまいりい とりゆうドリュー・スマイリー 投手 アトランタ・ブレーブス 2021 アメリカ合衆国 2017
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