両国間の現状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 09:07 UTC 版)
現在のイギリスの政策は対米関係がイギリスにとって「最も重要な二国間関係」であることを表している。2009年2月、当時のヒラリー・クリントン国務長官は「米英関係は時間の試練にも耐える」と表現し、両国の関係に敬意を示した。 2009年3月3日、ゴードン・ブラウン首相がホワイトハウスを初訪問した。その際、彼はかつてアフリカ沖での奴隷制反対作戦に参加したHMS ガネット(英語版)から彫られたペンホルダーをオバマ元大統領に贈った。オバマからは『スターウォーズ』や『E.T.』など25枚の映画DVDが贈られた。サラ・ブラウン夫人からはオバマの娘達にイギリスのファッション小売店TOPSHOPの洋服とアメリカに届いていない未刊行の本が渡された。ブラウンの息子達へはミシェル・オバマ夫人からマリーンワンのヘリコプターの玩具が渡された。この訪米期間中、ブラウンはアメリカ合衆国議会の合同会議への演説を行ったが、これは外国の政府首脳にはめったに与えられない特権である。 2009年3月のアメリカ・ギャラップ社の世論調査によれば、36%の回答者がイギリスを「最も価値のある同盟国」だと認識し、カナダ、日本、イスラエル、ドイツが後に続いた。さらに、この調査結果は89%のアメリカ人がイギリスを好意的に見ていることを示し、これは90%のカナダに次ぐ割合の高さであった。アメリカ・ピュー研究所が2009年7月に世界中で実施した調査でも、回答したイギリス人の70%がアメリカについて好意的な見方をしていた。 2011年2月、ロシアを新戦略兵器削減条約(新START)に批准させるため、その後押しの一環としてアメリカが「トライデント(英国核プログラム)(英語版)(ミサイル移送システムはアメリカ国内で製造・整備されている)」に関する機密情報をロシアに提供したことを、ウィキリークスの情報に基づいてイギリス・デイリー・テレグラフ社が報じた。英国王立防衛安全保障研究所のマルコム・チャルマーズ教授は、ロシアに「イギリスの兵器庫のサイズを測定する別のデータポイント」を提供することによってシリアル番号がイギリスの非検証政策を損なう可能性があると推測した。 2011年5月25日、オバマ大統領はイギリスへの公式訪問の際、ウェストミンスター宮殿における議会演説で両国関係を再確認し、「今日、世界で最も古くから知られている最も強力な同盟関係のひとつを再確認するためにここへ来た。米英両国は特別な関係を共有していると長い間言われてきた」と述べた。 また、2014年スコットランド独立住民投票前には、「今までに有するなかで最も近しい同盟国のひとつ」とオバマが述べた「強力で統一された」イギリスとの継続的なパートナーシップを享受することにおける、アメリカの既得権益を公に発表した。2016年9月のG20サミットでのテリーザ・メイ首相との合同記者会見では、「肝心なのは、我々はイギリスに比べて世界のどこにも強いパートナーはいないということだ」と述べた。
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