世界的な傾向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 16:40 UTC 版)
先進国では結婚に対する考え方が「国民皆婚制」という、歴史的にも生物学的にも珍しい状態にある。しかしながらさも国民皆婚制が太古の昔から続いていたかのような俗論が蔓延しており本件もその文脈で語られることが多い問題の一つである。歴史人口学によれば晩婚化(非婚化)という概念自体は、近代以前の村社会とそれ以降との比較においての意味しかない。 一方晩婚化は先進国だけでなく途上国でも確認されており、世界的な現象となっている。国連が世界192カ国を対象に、1970年代と1990年代で結婚等がどのように変化したかを調査した報告書によれば、 「1970年代と90年代を比べると、世界の平均初婚年齢は2年近く遅くなり」 「晩婚化は7割以上の国でみられ、平均初婚年齢は男性が25.4歳から27.2歳に、女性は21.5歳から23.2歳に上昇した。上昇幅は先進国の方が大きいが、途上国でもアルジェリア、スーダン、マレーシアのように3歳以上上昇した国があった」 となっている。 第二次世界大戦以前の社会においては、10代で結婚して所帯を形成することはごく自然な行為であり、全体にも平均初婚年齢は20歳前後に留まる時代が長かった。[独自研究?]これは進学率が低かったこと、及び低年齢から社会に出て手に職を付けることが当たり前でありかつ効率的であったことが理由の一つとして挙げられる。特に女子は長い間、進学せずに家事に就くことが当然と見なす社会的圧力に晒されていたため、進学や就職をせず親の縁談で伴侶を見つけて嫁ぐことも多かったので、女子の平均初婚年齢は10代後半で長く推移した。 大戦後、特に先進国において義務教育以上の就学課程(特に大学)への進学率が高くなると、平均初婚年齢は次第に20代へとシフトし始めた。この傾向は、高学歴を必要とする専門知識が求められる職種の増加、学歴重視の雇用者意識、女性の社会参加、看護・福祉のような女性が中心的な労働力を占める職種の社会的地位の向上、女性の経済的な自立と就業意欲の高まりなどを背景として、年々加速した(ただし女性の経済的な自立については異論も多い。次項参照)。
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