不正内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 16:05 UTC 版)
2015年9月18日、アメリカ合衆国の環境保護庁は、フォルクスワーゲンが、アメリカ合衆国連邦政府の大気浄化法をクリアするため、ディーゼル自動車に不正なソフトウェアを搭載していたと発表した。このソフトウェアは試験であることを自動検知し、ECUの機能をフル稼働して、試験時のみ有害物質の量が大幅に減るようにされていた。しかし、自動車が通常走行する場合は、環境基準の40倍に上る窒素酸化物などを排出していた。 このように、試験だけを通過する機能は「ディフィートデバイス(無効化装置)」と呼ばれ、アメリカでは違法である。通常走行でも規制に適合するようソフトウェアを修正すると、燃費の悪化、出力の低下、および部品寿命の短縮が見込まれる。問題があるのは排ガス規制に関する部分だけであるため、運転の安全性には問題がない。その後、不正車種はガソリン車にも拡大し、不正対象物質は二酸化炭素排出量にも及ぶことが同社の内部調査で明らかになった。 欧州連合では、2007年にディフィートデバイスを違法としており、2013年に欧州委員会の共同研究センター (JRC) が、不正を防ぐために路上テストに切り替えるべきだと提言していた。なお日本では、車両総重量3.5トン超のディーゼル車に対してのみ、ディフィートデバイスが禁止されているため、当該車種(普通自動車)での使用は、2015年時点では違法行為にならなかった。 当該車種による汚染物質の総量は、年間100万トンと見られる。統計的には、1,300トンのNOxあたり一人の死亡につながると推定される。 最初に「異常な排出値」を検出した路上走行での計測には、日本の計測器メーカー堀場製作所が製造した、車載可能なポータブル測定器が使われた。
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不正内容
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ボストン・グローブ紙の2012年9月5日の記事と2014年5月30日の記事、研究公正局の2012年9月10日の通達を中心に、英語版ウィキペディアなどの情報を加味すると、以下のようだ。 ハウザーは6件の不正研究を単独で行なった。その内の主要な不正を以下に示す。 ハウザーは、2002年の「Cognition」誌の論文でデータをねつ造した「Hauser, M.D., Weiss, D., & Marcus, G. "Rule learning by cotton-top tamarins.' Cognition 86:B15-B22, 2002」。その論文は、音節パターンを学習するサル(ワタボウシタマリン)の認識能力を研究したものである。彼はサルに特別な音節パターンを聞かせる実験をし、結果を図2にまとめた。音節パターンは、3連の音節で、例えば、「いろは」に慣らせた14匹のサルに、今度は「いはろ」を聞かせ「いろは」と区別できるかという実験である。しかし、実際には、後半の「いはろ」を聞かせていないにもかかわらず、聞かせたとするデータをねつ造し、ねつ造した結果を図2として発表した。この論文は2010年に撤回された。 2005年の論文では、元データでは測定値がバラバラだったが、統計的に有意な数値となるようにハウザーが5点のうち4点を改竄した。 2007年の論文「Hauser, M.D., Glynn, D., Wood, J. "Rhesus monkeys correctly read the goal-relevant gestures of a human agent.' Proceedings of the Royal Society B 274:1913-1918, 2007」は、アカゲザルが人間のジェスチャーを理解できるかどうかの実験を行なったが、7つの実験のうちの1つの「実験方法」と「結果」で改竄をした。人間がエサ箱(エサは入っていない)を指でさすと、サルが近づくかどうかの実験である。「結果」の改竄は、43匹の内31匹が近づいたと書いたが、実験記録には27匹しか近づいていなかった。「実験方法」の改竄は、全部、ビデオ撮影したとあるが、実際には、30匹分しか撮影していなかった。改竄前の元データでも統計的有意性はあるのにどうして改竄したのだろうか。2011年に訂正論文を「Proceedings Royal Society B 278(1702):58-159, 2011」に発表した。
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