レバレッジについて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 08:19 UTC 版)
「外国為替証拠金取引」の記事における「レバレッジについて」の解説
「レバレッジ」も参照 外国為替証拠金取引では、レバレッジを利用することにより、証拠金以上の外貨を取引することができる。レバレッジの倍率を高くするほど為替相場の変動によるリスクは高まる。逆に証拠金と同額の外貨を取引する(レバレッジ1倍という)場合は、外貨預金に近い比較的低リスクな取引もできる。 仮にレバレッジが100倍で取引した場合、1%の変動(1ドル=100円から1ドル=101円, 100 pips )が100%の変動になる。利益なら証拠金が2倍になるが損失なら証拠金全額を失う。 高いレバレッジであるほど、リターンが高まる分リスクが高まることを理解しなければならない。注文後はすぐにストップロス(逆指し値)を必ず使い、被害を最小限に留めることが大切である。 実際には商品先物の証拠金取引はロスカットルール等の特約がない限り、追証制度があり、入金期限以後の商品先物取引業者の任意による強制決済か入金期限までの入金の選択ができ若干の時間的な余裕があるが、現在の外国為替証拠金取引(FX取引)では、それとは異なり、損失が一定額を超えると、ロスカットルールによってポジションが強制的に反対売買がされて、自動的に決済・解消される仕組みがある。 また、それよりも損失の小さい段階で追加証拠金の差し入れ(追証)を請求される(マージンコール)場合もある。ロスカット判断は取引時間中はほぼリアルタイムで行われているが、システム状態によっては必ずしもリアルタイムとならない場合もあるほか、週明けに大きな変動があることもあるため、特に高いレバレッジの損切りではロスカットルール以上の損失が発生するケースも昔、多かったが、現在、FX会社各社は自社の取引システムを頻繁に改善・リニューアルし、PC向け・スマホ向けの高度な取引ツールを用意しているので、そういう取引トラブルのニュースはなくなった。 外国為替を原資産とした場合、そもそも通貨の両替から派生しているが故に、上場の有価証券とは本来的にその性質が異なる。ここにおいて、レバレッジの概念は想定元本のみならず、評価損益をどの程度の頻度で管理すべきか、というきわめて高度な信用リスク管理と表裏一体の問題が出てきた。それゆえ、この部分を行政・立法という公権力もしくは業界団体による自主ルールで決めようとする試みがあるが、一方でリスク管理の問題は、今頃になって出てきた問題ではなく、従来から日本国内および海外において各金融商品取引業者、金融機関、機関投資家、投資銀行、証券会社、ヘッジファンドによってそのリスクに対する投資スタンス、考え方が大きく異なるというのが実状である。 2010年8月1日、金融庁はFX取引の最大レバレッジを規制し、2011年8月1日より、最大レバレッジを50倍から25倍に引き下げた。 レバレッジ規制のない国で運営されている取引業者が、25倍を超えるレバレッジを日本居住者向けに提供している場合があるが、金融庁はそのような業者に対して無登録業者として定期的に警告を行っており、同庁はトラブルが生じた際の追及が困難になるとして利用をしないように日本の投資家に呼び掛けている。 現在の個人向けFX取引のレバレッジは金融庁の指導で最高で25倍だが、近い将来10倍にするとの発表を行っている。そのため、日本国内の投資家で海外のFX会社を利用するケースが増えている。海外のFX会社ではレバレッジが最高で3000倍の会社もある。一方、金融庁は法人を利用したFX取引には高い倍率のレバレッジを認めており、国内のFX会社の場合、最高で100倍のケースが多い。そのため、国内で高いレバレッジを利用するために日本国内の投資家が「FX法人」を作るケースもある。
※この「レバレッジについて」の解説は、「外国為替証拠金取引」の解説の一部です。
「レバレッジについて」を含む「外国為替証拠金取引」の記事については、「外国為替証拠金取引」の概要を参照ください。
- レバレッジについてのページへのリンク