レチナIシリーズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 06:13 UTC 版)
距離計はない。 レチナ - 巻き上げ、巻き戻しともノブ。シャッターレリーズはレンズシャッターのレリーズレバーを直接操作する方法のほか、レンズシャッターのレリーズ穴に取り付ける極短いレリーズによる方法もある。この極短いレリーズはスナップに便利で「スケッチ・レリーズ」との名称で販売されていた。#117(1934年7月発売) - 最初の製品で、「オリジナルレチナ」とも呼ばれる。巻き上げノブとファインダーの間に巻き止め解除用ノブがあるのが特徴で、撮影後このノブを1/4回転させることで巻き止め機構が解除される。巻き戻し切り替えレバーは扁平で、巻き上げノブの上にある。フィルムカウンターがファインダーと巻き戻しノブとの間にある。メーカー資料によればシャッターは最高速1/300秒のコンパー、レンズはシュナイダー・クロイツナッハ製クセナー50 mm F3.5のみとされているが、実際には最高速1/500秒のコンパーラピッド、コダック製アナスチグマートエクター50 mm F3.5が装着された個体も存在する。仕上げは黒塗り、ニッケルメッキのみ。 #118(1935年7月発売) - フィルム巻き止めが軍艦部背面のレバーに変更された。シャッターは最高速1/300秒のコンパーまたは最高速1/500秒のコンパーラピッド。仕上げは黒塗り、ニッケルメッキのみ。 #119(1936年4月発売) - 巻き上げノブとファインダーの間の軍艦部が高くなり、フィルムカウンターがそちらに移動し、巻き戻しノブとファインダーの間の軍艦部は低く平坦になった。巻き上げノブ、巻き戻しノブが小径かつ背高になって扱いやすくなった。レンズがクセナー50 mm F3.5またはコダック製エクター50 mm F3.5。仕上げは黒塗り、ニッケルメッキのみ。 #126(1936年3月発売) - アクセサリーシューが装着された。アクセサリーシューを持たない個体も存在するが、取り付け位置にネジ頭が2本あることで識別できる。外観に初めてクローム仕上げが採用されたが、黒塗りの個体も存在する。レンズはクセナー50 mm F3.5またはエクター50 mm F3.5に加え、カール・ツァイス製テッサー50 mm F3.5, アルコー50 mm F3.5, ローデンストック製イザール50 mm F3.5, アンジェニュー製のアンジェニュー50 mm F3.5が供給された。シャッターはコンパーラピッド。 レチナI - ボディーシャッターとなった。#141(1937年10月発売) - メーカー資料によればレンズはシュナイダー・クロイツナッハ製クセナー50 mm F3.5またはエクター50 mm F3.5とされているが、テッサー50 mm F3.5が装着された個体も存在する。シャッターはコンパーまたはコンパーラピッド。仕上げはクロームメッキのみ。 #143(1938年1月発売) - #141の黒塗り仕上げ版。クセナー50 mm F3.5, コンパーの組み合わせのみでアクセサリーシューなし。 #148(1939年3月発売) - 二重露出防止装置が装備され、それに伴い巻き止め解除レバーがなくなった。巻き上げノブとファインダーの間の軍艦部が約2 mm高くなり、巻き上げノブが#126と同じ薄さになっている。レンズはクセナー50 mm F3.5またはエクター50 mm F3.5, シャッターはコンパーまたはコンパーラピッド。 #149(1939年3月発売) - #148とほぼ同様で、ボディー周縁のアルミニウム磨き出し部分が黒色塗装されている。レンズはクセナー50 mm F3.5, シャッターはコンパーのみ。 #010(1946年5月発売) - 第二次世界大戦後#148を再生産したもの。レンズはクセナー50 mm F3.5, エクター50 mm F3.5, イザール50 mm F3.5など極めて多種雑多で、正確なところが分かっていない。部品は戦前に生産されたストックを使ったり、資源がない中で新造したりしており低品質の個体も散見される。 #013(1949年4月発売) - 軍艦部がボディー上部全面に設置されファインダーがその中に内蔵された。イメージを一新する変更で、本当の意味での戦後型と言える。レンズはクセナー50mmF3.5または50mmF2.8。 #013/1(1950年発売) - シンクロ接点を持つコンパーラピッドを装備した。 レチナIa - いわゆる「レチナ式」の、上蓋にあるレバーによりフィルムを巻き上げるようになった。フィルム巻上げでシャッターのセットもされる。#015(1951年1月発売) - レチナI型シリーズでは初めてネックストラップ金具がついた。レンズはシュナイダー・クロイツナッハ製クセナー50 mm F2.8, クセナー50 mm F3.5, エクター50 mm F3.5, ローデンストック製ヘリゴン50 mm F3.5, シャッターは当初X接点つきコンパーラピッド、7月からMX接点を持つシンクロコンパーを装備した。 レチナIb - 蛇腹は隠され、近代的な丸みを帯びたボディーデザインとなった。底蓋にあるレバーによりフィルムを巻き上げる。ファインダーは少し大型化した。#018(1954年発売) - レンズはシュナイダー・クロイツナッハ製クセナー50 mm F2.8のみ。 #019(1957年発売) - セレン光電池式露出計を装備した。 レチナIB(1958年発売) - #019にブライトフレームファインダーを組み込んだもの。レンズはシュナイダー・クロイツナッハ製クセナー50 mm F2.8のみ。
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