ヨウ化鉄(II)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ヨウ化鉄(II)の意味・解説 

ヨウ化鉄(II)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/19 04:05 UTC 版)

ヨウ化鉄(II)
Iron iodide
IUPAC名 Iron(II) iodide
別名 ヨウ化第一鉄
組成式 FeI2
式量 309.67 g/mol
形状 赤褐色ないし黒色の板状結晶(無水物)
CAS登録番号 7783-86-0
密度 5.315g g/cm3, 固体
融点 587 ℃

ヨウ化鉄(II)(ヨウかてつ、 Iron iodide)はヨウ化物で、化学式FeI2で表される。無水物潮解性があり、水和物は一・二・四・六・九水和物がある。

ヨウ化鉄には二価鉄塩であるヨウ化鉄(II)と、三価鉄塩であるヨウ化鉄(III)(化学式FeI3)があるが、三価鉄塩は固体としては単離されておれず、性質もよく知られていない。これは以下の標準酸化還元電位から予測される通り自己酸化還元反応が起こりやすく不安定なためである[1]

製法

無水物は鉄とヨウ素を加熱する方法、テトラカルボニル鉄ヨウ化物(Fe(CO)4I2)を加熱分解する方法、ヨウ化鉄の水和物を脱水する方法などがある。水和物は、水の存在下で鉄にヨウ素を作用させる方法、無水物の加水による方法がある。

性質

  • 無水物 - 赤褐色ないし無色の板状結晶で、結晶構造は六方晶系ヨウ化カドミウム型構造でその格子定数はa = 4.04Å、c = 6.75Åである[2]。強い潮解性があり、空気中で褐色の液体となり、次第に無色の二水和物となる。乾燥した空気中では安定しており、加熱すると酸化鉄(III)となる。還元剤に対しては極めて安定しているが、微細粉末状のにより還元され、鉄を生じる。エタノールエーテルジメチルアミンに可溶だが、エチルアミンには不溶。
  • 水和物 - 二水和物は無色の結晶。四・六・九水和物は緑色の結晶で、潮解性・吸湿性がある。四水和物は90~98℃で分解。エタノール・エーテルに可溶。水溶液は無色だが、空気中では酸化により褐色になり、分解してヨウ素やヨウ化水素を生じる。50℃以上に加熱すると黒色に変色するが、冷却すると元に戻る。

参考文献

  • 松岡敬一郎 『ヨウ素綜説(第二版)』 霞ヶ関出版、1992年ISBN 9784760301355
  1. ^ FA コットン, G. ウィルキンソン著, 中原 勝儼訳 『コットン・ウィルキンソン無機化学』 培風館、1987年
  2. ^ 『化学大辞典』 共立出版、1993年



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ヨウ化鉄(II)」の関連用語

ヨウ化鉄(II)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ヨウ化鉄(II)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのヨウ化鉄(II) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS