モハ3200形・クハ1000形
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「北陸鉄道サハ1000形電車」の記事における「モハ3200形・クハ1000形」の解説
モハ3201 クハ1001 サハ1000形製造の翌年1957年(昭和32年)8月にモハ・クハ揃って竣工し、加南線に投入された。モハ3201は全長が100mm延長された他はサハ1000形と同一構造の車体を持つが、当初から両運転台のモハであったことの他、非パンタ台側の妻面が貫通構造とされたことが異なる。クハ1001はモハ3201を片運転台化した車体を持ち、連結面側に貫通路を備え窓配置がd2D6D3と改められている。モハ・クハとも埋め込み型の前照灯ケースを装備し、以降のグループにも踏襲されることとなった。なお、当時の加南線はポール集電方式を採用していたことから、モハ3201も当初はポールを搭載しており、その操作のため貫通構造側の正面に貫通幌は設置されていなかった。 主要機器はいずれも新製されたもので、HL-74電磁単位スイッチ式手動加速制御器、日本車輌製造製のNE60主電動機およびND4台車を装備する。これらは台車こそ近代的なオールコイルバネ台車であったものの、その他の機器に関しては既に実績のあるものが採用され、従来車との互換性を重視した保守的な設計がなされている。 その後、1962年(昭和37年)の6000系「くたに」導入を機に加南線所属車両の集電装置がパンタグラフに切り替えられ、モハ3201についても集電装置のパンタグラフ化が施工された。1964年(昭和39年)には2両揃って石川総線へ転属したが、制御方式の関係で主に朝夕の通勤時間帯に稼動する程度であまり活用されることなく、1968年(昭和43年)にモハ3201は浅野川線へ転属した。翌1969年(昭和44年)にはクハ1001も同線へ転属し、再び編成を組むこととなっている。 本グループに施工された主要な改造としては、モハ3201に施工された車体修繕工事が挙げられる。外板張替えによりウィンドウヘッダーが埋め込まれた他、正面窓がHゴム固定化されたため、本工事を施工されなかったクハ1001とは形態に差異が生じていた。その他、前照灯のシールドビーム化、客用扉の鋼製化、側窓のアルミサッシ化等が施工され、クハ1001のみ戸袋窓のHゴム固定化も行われた。なお、他形式が両側妻面の貫通化を施工される中、本グループのみは廃車まで片側非貫通構造のまま存置されたことも特徴であった。また、モハ3201は晩年に台車交換が行われ、鋳鋼組立釣り合い梁式台車の住友金属工業KS-30Lに換装されている。
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