北陸鉄道モハ1800形電車とは? わかりやすく解説

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北陸鉄道モハ1800形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/11 04:26 UTC 版)

北陸鉄道モハ1800形電車(ほくりくてつどうもは1800がたでんしゃ)は、1941年に発生した山代車庫の火災で焼失した車両の復旧名義で被災車の一部機器流用で製造され、温泉電軌→北陸鉄道加南線で使用された電車である。


  1. ^ 実際には事実上完全新造であっても書類の上で車籍継承として申請すれば、その状態を問われず(実際に2軸木造単車の車籍継承で、似ても似つかない2軸ボギー式の大型鋼製車を「改造」したとの名目で新造した例が他社に存在する)に製造が認められ、逆にどれほど旧車の機器を流用していようとも新規に書類を調えた場合には認可が得られない、という統制当局の至って硬直的で融通の利かない事務処理を逆手に取ったこの種の措置は、同様に新造による車両増備が認められなかった同時期の他社においても車両増備の切り札として多用された。これは輸送力増強に追われる各鉄道会社の窮状をよく知る鉄道省の監督部署による示唆、および暗黙の了解の下に実施された、必要悪というべき合法的な脱法行為だったのである。
  2. ^ 旧南海鉄道電第壱號形(電1形)の余剰車体流用車。
  3. ^ 山中車庫火災の際には、線路がつながっておらず車庫も別(動橋にあった)の片山津線配置であったため、被災しなかった。
  4. ^ 1949年に木南車両は解散していたため発注先が変更されたが、基本的な設計や構造は共通であった。
  5. ^ そもそも本形式に装着されたのと同じ軸距1,372mmの27GE-1、それも1,067mm軌間用のものは日本には南海鉄道向けの24両分しか輸入されておらず、ブリル社製台車に多く見られた日本国内での模倣品生産も、大阪高野鉄道が梅鉢鉄工場に製造させたもの、つまりその後南海の所有に帰したものしか確認されていない。このことと、メーカーである木南車輌製造と南海鉄道の密接な関係から、不足分のBrill 27GE-1は南海で木造車の鋼製化を実施し、車体新製後に台車の新製交換を段階的に実施した際の発生品が流用された可能性が高いとみられる。
  6. ^ 戦時中の竣工であり、温泉電軌としての竣工時に撮影された公式写真の類は発見されておらず、また竣工直後の各車に関する鉄道趣味者あるいは研究家による詳細記録や写真等も残されていない。また、温泉電軌の車両については、機器流用元とされる被災各車の機器についても、本形式に流用されたブラウン・ボベリィ社製直接制御器(後述)をはじめ、出自の不明瞭なものが多い。
  7. ^ 端子電圧600V時1時間定格出力37.3kW。
  8. ^ 電1形とも。後のモハ1形モハ1 - 10・ 電附第弐號形(電付2形)205 - 207→クハユニ505形505 - 507・電附第参號形(電付3形)208-210→クハユニ505形508 - 510・電附四號形(電付4形)221-226→クハ716形716 - 721など。
  9. ^ 電2形とも。後の電附第八號形(電付8形)704 - 715→クハ704形704 - 715。
  10. ^ 電第五號形(電5形)119 - 122→モハ101形107 - 110→モハ521形527 - 530。電第壱號形の電装解除で発生した電動機を流用した車両。
  11. ^ そればかりか、戦時中には本形式とほぼ同一設計の小型電車を加太線用モハ500形として木南車両で新造する計画さえ存在していた。
  12. ^ この際、加南線全線の架線が順次パンタグラフ対応に張り替えられている。
  13. ^ もっとも、現在では後者を含め全てが姿を消している。
  14. ^ 前面にスノープラウの取りつけ金具を設け、冬期には除雪用に使用された事もあった。
  15. ^ 資金調達の難しい地方私鉄の車両近代化に資する、という補助金の趣旨から、新規に車両導入を行う場合には導入車両と同数またはそれ以上の数の在来車を廃車せねばならない。


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